はじめに

民間の保険に入っている方の多くは、「自動引き落としだから大丈夫」「契約しておけば安心」と考えているのではないでしょうか。ところが、何らかの事情で支払いが滞ると、保険契約が途中で効力を失う「失効」という事態が起こり得ます。

解約した覚えがないのに保障がなくなり、いざというときに給付が受けられないのは大きなリスクです。今回は、失効リスクを避けるために知っておきたい注意点や思わぬ失効を防ぐための支払い方法について紹介します。


保険が失効してしまう理由

失効の原因はさまざまですが、主なものは次の通りです。

①口座振替で引き落としができない
損害保険と生命保険では、失効の仕組みが少し異なります。

・損害保険(自動車保険、火災保険など)の場合
銀行口座の残高不足で引き落としができないと、保険会社から案内が届き、翌月2回分の請求が行われます。翌月の請求で引き落としが行われれば、元に戻りますが、再び引き落としができなかった場合は解除扱いとなり、3回分の払込票が送られます。

期限内に支払えば、また翌月から引落が再開されて元に戻りますが、支払わなければ、契約は失効します。

自動車保険では一旦失効すると、それまでに積み上げてきた割引等級がリセットされ、再加入時に保険料が高くなるため注意が必要です。

また、振込の猶予はありますが、支払いが滞っている期間中は保障がなく、万一自動車事故を起こしても保険金は支払われません。

ですので、残高不足で引き落としができないことがあっても、翌月は資金不足にならないよう気をつけることが大事です。

・生命保険の場合(医療保険、がん保険、死亡保険など)
1回引落ができないと案内が届き、翌月2回分の請求が行われるのは損害保険と同様です。その後は、保険会社によって異なり、損害保険のように3回分を支払えば、継続できることもありますが、多くの場合、翌月も引落ができなければ、そのまま失効となります。

生命保険には復活制度があります。失効中の保険料を払い、現在の健康状態を告知すれば、元の契約を復活させることができる仕組みです。

健康状態に問題がなければ、復活が容易にできますが、治療中や直近の入院、手術をしている場合は、復活できないこともあります。生命保険も、資金不足には注意しなければなりません。

②クレジットカード決済のエラー
カードの有効期限切れ、利用限度額超過、セキュリティロックなどで保険料の引き落しができないと、失効につながります。また、クレジットカードの有効期限切れでも、保険会社から通知がきますが、見過ごしてしまうケースも近年多くなっています。

新しいカード情報を保険会社に提出すれば引落は再開されますが、口座引落のように翌月2回分を引き落とすことができないこともあります。保険会社から払込票が送られてきたら、その分の保険料を振込む必要があります。

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