はじめに

2025年度上期(4~9月)は、世界各国で株式市場が堅調に推移しています。世界的な株高を背景に日本の株式市場も堅調に推移しました。日経平均株価は、この半年間で9,315円(26.1%)上昇し、半期としては過去最大の上げ幅を記録しました。4月初旬には、トランプ関税による世界景気の減速懸念から日経平均は3万1000円台まで下落する場面もありましたが、9月30日には4万4932円で取引を終えています。

この日経平均の上昇を牽引した銘柄は、寄与度トップがソフトバンクグループで、日経平均を2,312円分押し上げ、アドバンテストが2,257円、東京エレクトロンが688円と続きました。この上位3銘柄だけで、5257円と日経平均の上昇幅の5割以上を占めています。一方、TOPIXの上昇幅は18%となり、日経平均株価がより優位に推移したことがわかります。


プライム市場を賑わせた主要銘柄の動向

では、プライム市場に上場する個別銘柄の動向はどうだったのでしょうか?

上昇率トップは、アステリア (3853)でした。金融庁が法定通貨に連動する円建てステーブルコインの発行を国内で初めて認めるという報道が追い風となり、フィンテック企業のJPYCとの連携を発表したことで買われました。第2位は、三井E&S(7003)。政府が「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)」で海運・造船業の強靭化を掲げ、2035年までに建造量を現状の約2倍となる1800万総トンに引き上げる目標を示したことが株価の上昇要因となりました。

第3位のフジクラ(5803)は、2024年も上昇率が高い企業でしたが、上半期も堅調に推移しました。生成AI普及に伴うデータセンター向け光ファイバーケーブルの需要拡大が追い風となっています。また、次世代エネルギーとして期待される核融合市場への事業拡大も注目されています。核融合発電は自民党総裁選挙に出馬している高市候補が推し進める政策の一つとなっています。第4位は、AIサーバー向けの銅箔の需要拡大期待から買われた三井金属鉱業(5706)です。2026年9月までに生産量を25年4月比で45%増やす計画が公表されたことも好材料となりました。

その他にも、投資ファンドのTOB(株式公開買付)発表で急騰した日本調剤(3341)や、米国のAIインフラ投資計画「スターゲート」への期待から上場来高値を更新したソフトバンクグループ(9984)が上位に名を連ねました。また、パーキンソン病を対象としたiPS細胞由来の医薬品候補で製造販売承認を申請した住友ファーマ(4506)も上昇しました。その他ではアドバンテスト(6857)、イビデン(4062)が名を連ねています。。

下落銘柄は?

一方で、下落が目立った銘柄も存在します。下落率トップはミガロホールディングス(5535)でした。株価が安値圏にある中で発行済み株式数の10%を超える公募増資を発表したことが、一株あたりの価値の希薄化懸念から投資家によって売られました。次いで、第1四半期決算が大幅な減益となったシスメックス(6869)が大きく値を下げました。中国市場の環境悪化や、基幹システムの切り替え
による受注制限などが影響しています。このほか、DeNA(2432)やGENOVA(9341)、オープンドア(3926)も下落が目立ちました。

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