はじめに

近ごろの物価高を、日々の買い物でひしひしと感じている方も多いでしょう。

「もっと支出を減らさないと…でも、もう削るところがない」「それならどうやってお金を貯めたらいいの?」と、行き詰まりを感じていませんか?

実は、自分が「できること」と「できないこと」を区別してみると、悩みが一気にシンプルになり、解決法が見つかるものです。やみくもに節約や投資に着手する前に、この“線引き”をしておけば、ストレスなくお金を貯めていく第一歩になるでしょう。

今回は、そんな考え方についてお伝えします!


自分でできる? できない? 家計の3要素を整理しよう

家計を構成する要素は、大きく分けて「収入」「支出」「資産」の3つです。それぞれについて、自分ができること・できないことを見ていきましょう。

1. 収入「思った以上に“工夫できる余地”がある」

「収入は会社次第だから増やせない」と思い込んでいませんか?

確かに転職したり、昇給・昇格したりしないかぎり、収入がそう簡単に増えることはないかもしれませんが、見直してみると意外な工夫ができるものです。


▶自分でできること(例)
・副業を始める
・不要な物をフリマアプリなどで売って副収入に
・資格取得で手当や昇給を狙う
・スキルアップや業務の改善で評価を上げ、昇進・昇給につなげる


すぐに収入アップに反映されなくても、小さな工夫を積み重ねていくことで1年後、3年後の収入が大きく変わるはずです。「今の収入では無理だ」とあきらめることなく、できることを一つずつ試してみましょう。

2. 支出「コントロールできるのは“自分の生活コスト”」

支出については、「自分ではどうにもならない要因」は多くあります。


▶自分でできないこと(例)
・物価の上昇
・為替や金利の変動
・景気や経済全体の流れ
・急に大きなお金が必要になる事態(病気やケガ、家電の故障、必要に応じた帰省など)


こうした外的要因に対して、「なんでこんな状況なのだろう」と嘆いても、よい進展はありません。それよりも「変化に備えること」が大切です。

そんな例を紹介します。

・物価上昇に備えて、資産を預貯金だけではなく、投資信託など、インフレに強いとされる投資性商品も保有しておく(一括で投資信託を購入するのではなく、複数回に分けて購入することがのぞましいです)
・円安に備えて、資産の一部を外貨で持つ(上記と同じく、一括で外貨資産を持つのではなく、少しずつ購入していくことがのぞましいです)
・金利上昇に備えて、住宅ローン返済が変動金利の場合は、返済額が上がっても大丈夫かをチェックする。いざというときに繰り上げ返済ができるように、預貯金をとっておく。それと同時に、他の住宅ローンへの見直しも検討する。
・急に大きなお金が必要になる事態を備えて、生活防衛資金として手取り収入の3カ月~1年分程度を定期預金などで持っておく


▶自分でできること(例)
・固定費の見直し(住居費・通信費・保険・サブスクなど)
・変動費のチェック(食費・外食・趣味・交際費など)


固定費は、当たり前の支出として気づかないでお金を払っているケースが多いです。一つずつ内訳を確認して、本当に自分に必要なものかどうか、同じクオリティで金額を下げられないかを検討しましょう。

変動費については、削りすぎると楽しみがなくなって、ストレスにつながるので要注意。慎重に検討しましょう。1~2週間程度、支出を記録して、俯瞰して眺めると、ムダ遣いが見えてくるはずです。もし毎日300円の無駄を削ることができれば、10年で100万円ほどの貯蓄につながります。

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