はじめに
「徹底リサーチ」と「スモールスタート」が小規模宿事業成功のカギ
──サラリーマンや主婦が小規模宿事業を始めるにあたって、つかんでおくべきポイントや心がけておくこと、コツなどがあれば教えてください。
まずは、先ほどもお話したように徹底的にリサーチをして、適切な場所を選ぶこと。事業は立ち上げて終わりではなく、きちんと収益を上げて、長く続ける必要があるため、「事業計画段階でのリサーチ」は極めて重要。「場所の選定」は成功への大きな一歩であり、「土地の需要」「競合分析」「宿泊単価の見込み」など、細かいリサーチを重ねた上で開業することが大事です。
あとは、「スモールスタート」を意識することですね。最初から大きな資金を投じて事業を始めるのはハイリスク。賃借物件から始めたり、地方の古い物件を安く購入してリフォームしたりするなど、最初は小さい資金で始めるといいでしょう。
──小さな資金でスタートして、開業までの流れや運営のノウハウを学ぶということですね。
その通りです。ほかに、「コンセプトによる競合との差別化」や「地域課題の解決を念頭に置くこと」「金融機関の融資を味方につけること」「まずは実際に小規模宿に泊まってみて、賃借型や購入型のメリット・デメリット、事業のお金の流れや仕組みを理解しておくこと」も大事なポイントとして挙げられますね。
「コンセプトによる差別化」では、ホテルや旅館など大手が苦手とする「物語性」や「地域のぬくもり」、「人とのつながり」など顧客の心に刺さる「体験価値」で勝つために、明確なコンセプト設計が必要です。
「地域課題の解決」は、宿事業を通じて「その地域を良くしたい」という、地域課題の解決を事業計画に加えることで、銀行融資や補助金申請に有利に働く場合があります。
「銀行融資」では、開業資金が貯まるのを待たず、融資を受けて開業を早めることで、事業拡大のスピードを大幅に速められます。融資審査では、「SDGs宣言書」などを活用し、いわゆる一般的な不動産投資ではなく、「社会貢献型の宿泊事業」であることを伝えると、融資が受けやすくなるでしょう。
──宗像さんの現在の目標をお聞かせください。
社会貢献という点では、小規模宿が全国各地で増えることで、地方経済を潤し、日本の観光力、ひいては国力の向上へとつながっていくのが大きな目標です。また、これから事業を始められる方たちにとって、「小規模宿の開業」が多くの方の選択肢になる社会を目指しています。現在、私が開催している小規模宿セミナーも、その目標のための活動です。
私自身の小規模宿事業も、利益を追求するだけでなく、地域と共に成長し、地方創生に貢献することを常に念頭に置いています。これからも、一人でも多くの方に小規模宿事業という“可能性”をお届けして、ともに地域を盛り上げ、日本全体を元気にしていけることを願っています。
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