はじめに
急騰銘柄を選ぶポイント3: 上場5年以内の“再評価余地”

私は投資家としてIPOの銘柄はチェックするようにしています。上場してまだ数年の企業は、急騰しやすい銘柄の宝庫だと考えているからです。
上場直後は実績データが少なく、市場が企業の実態をまだ十分に評価できていないことがあり、過小評価や情報の非効率性(mispricing)が残りやすい時期でもあります。そのため、企業の成長が確認された段階で一気に適正評価が進み、急騰につながる可能性があります。
また、上場後に売上が加速度的に伸びるケースも珍しくありません。上場したことによって信用が高まることで資金調達や提携、人材獲得が進み、経営が攻めの姿勢に入りやすいほか、設備投資フェーズにある企業も多く存在します。
さらに、赤字で上場した企業が黒字化したタイミングで株価が大きく動く例も見られます。
急騰銘柄を選ぶポイント4: 中小型株 × 浮動株の少なさによる需給メリット
需給が軽い銘柄、つまり小型株で浮動株比率が低い銘柄を狙うのは、短期あるいは中期で急騰を狙う際のセオリーのひとつ。
株価は需給で動くため、同じ好決算でも大型株より小型株のほうが値動きが大きくなりやすく、特に時価総額300〜700億円のゾーンは「小さすぎるリスクも、大きすぎて動かないという問題も避けられる」ほどよい領域として狙い目だと考えます。最低100億円程度の規模は欲しいところですが、短期の急騰狙いであればそれ以下でも候補になり得ます(ただしリスクは高まります)。
前述したように、オーナー比率が高く機関投資家の保有が少ない場合、市場に出回る株数が限られるため、新規の買いが入ると株価が大きく動きやすくなります。株価が跳ね始めれば個人投資家の追随でさらに加速するという展開も考えられます。
また、中小型株は大手アナリストのレポートが出ていないケースが多く、知名度が低いため、本来の成長力が十分に評価されていない可能性があります。とくにIR活動を始めたばかりの企業や、まだ広く知られていない企業は、これから注目度が上がるにつれて市場が評価を見直し、株価が上昇する期待があります。
急騰銘柄を選ぶポイント5: 好決算後の株価ドリフト(PEAD)
急騰のトリガーとして代表的なのが、好決算サプライズによる上昇圧力です。
投資家の予想を大きく上回る決算を発表した企業では、市場が驚いて株価がギャップアップ(窓開け上昇)し、その後も数週間から数ヶ月にわたって上昇が続くことがあります。これは PEAD(Post-Earnings-Announcement Drift)と呼ばれており、好決算後に株価が持続的に上昇する現象は研究でも確認されています。
さらに重要なのは、「成長市場」かどうかです。AI・生成AI、SaaS、クラウド、医療DX、EV・二次電池、精密加工、防衛宇宙、インバウンドなど、今後も成長していきそうな市場テーマに属する銘柄であれば、1回の好決算で終わらず、次の決算まで期待上昇が続きやすいといえます。市場の追い風と好決算が重なることが、急騰の最強パターンといえるでしょう。
とはいえ、決算は出てみるまでわかりません。良い決算でも期待値が高すぎたという理由で株価が下がるケースもあります。決算またぎのトレードはギャンブル性が高くなりやすいため、資金管理に注意が必要です。
例として、QPS研究所(5595)は上場時からIRに関わらせていただいたこともあり注目していますが、小型SAR衛星の開発・製造や運用、SAR画像データの販売を行う宇宙関連企業です。直近ではホールディングス化でも投資家から熱い視線を受けているようです。
また、推奨ではありませんが、2025年10月に新規上場したサイバーソリューションズ(436A)や、やや大型ながらテクセンドフォトマスク(429A)も、ここまで解説してきた条件に合致する可能性があると考えます。
急騰銘柄の見極めとリスク管理の重要性
以上のように、急騰銘柄にはトップラインの成長、オーナー経営、上場からの年数、需給の軽さ、そして好決算後のドリフト(PEAD)など、共通しやすい構造があります。一方で、これらの条件を一つ満たすだけで株価が上がるわけではなく、市場環境の変化によって結果が大きく左右されることもあります。投資判断の際には、企業の成長性や需給だけでなく、リスク管理も忘れずにご検討ください。
この記事が皆様の銘柄選びの一助となれば幸いです。
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