はじめに
第三者のチェックが入らないSNS
しかし、証券投資を学ぶに際して、SNSは本当に適したメディアといえるのでしょうか。問題は2つあります。
第一に、理解が深まりにくいことを挙げておきましょう。特に映像・画像にその傾向があります。なかには良く作り込まれているものもありますが、基本的にはパッと見て理解できた気になるような作りになっています。
もちろんYouTubeなど多くの映像・画像媒体は、前に戻って視聴し直すこともできますが、だからといって、ひとつのテーマを深掘りして見せる内容を持ったコンテンツは、ほとんどありません。誰もが手軽に、ひとめで理解できるように、内容は極めて簡略化されています。
ただ、それでは証券投資を深く理解することはできません。極めて表層的な捉え方になってしまいます。
そして、もうひとつが最大の問題点なのですが、SNSを通じて流れてくる情報は、映像・画像系であったとしても、あるいは文字系であったとしても、第三者のファクト・チェックを受けていない点にあります。
これがテレビや新聞・雑誌などのレガシーメディアであれば、記者などが書いた記事を、その上役であるデスクなどがしっかりチェックして、世の中に出して良い情報なのか、それとも出さない方が良いのかを判断します。こうした情報の中身に関するチェック機能が働くため、レガシーメディアはまだ情報の中身を多少、信じることはできますが、SNSはあくまでも個人が好きなように情報を流しているので、内容の信ぴょう性に欠けるきらいがあります。
もちろん、すべてがすべてにおいて信用できないというわけではなく、しっかりと証券投資に必要な情報を流し続けている専門家もいます。
ただ、それはごく一握りの限られたコンテンツであって、多くは信ぴょう性に欠ける情報だったりするのです。もっというと、表向きはまともなことを伝えようとしている風に見せておきながら、自分が関連している情報商材への誘導を図ろうとするようなSNSも散見されます。いずれにしても、第三者からのチェックを受けずに情報を垂れ流しているSNSは、話半分くらいで受け止めておいた方が良いでしょう。
フィンフルエンサーの意見は答えではない
では、信用できるフィンフルエンサーは、どうやって見分ければ良いのでしょうか。
まず、その人のバックグランドを、しっかりチェックして下さい。証券投資に関するフィンフルエンサーであれば、機関投資家でも個人投資家でも、その人物が過去の証券投資で、どの程度の実績を上げていたのかを調べるのです。
調べても実績が出てこないフィンフルエンサーに関しては、読んだり見聞きしたりをするなとまでは申しませんが、どこかに疑いの目を持つことが肝心です。
そして、最後の最後には自分の見方、考え方で判断を下すことです。フィンフルエンサーの意見はあくまでも、自分が自分なりの判断を下すための参考意見であり、答えではないということを、頭に入れておいて下さい。
新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]