はじめに

子どもの名義で口座を作り、「いつかこの子のために」とお年玉や児童手当をコツコツ貯めている親は少なくありません。

その思いはとても愛情深いものですが、実はその貯め方や管理の仕方によっては、税金面で問題になることがあります。一方で、ルールを正しく理解しておけば、将来の資産づくりだけでなく、子どもの金融教育にもつなげることができます。

今回は、未成年への贈与や名義預金の考え方を整理しながら、家庭でできる金融教育についてもお伝えします。


「子ども名義の口座=子どものお金」とは限らない

子ども名義で口座を作っていても、必ずしもそのお金が「子どもの財産」とみなされるとは限りません。その代表的なケースが「名義預金」です。名義預金とは、口座の名義人と、実際にその財産を管理・運用している人が異なる状態を指します。

たとえば、親が子ども名義の銀行口座を開設し、通帳や印鑑の保管、入出金の判断まですべて親が行っている場合、税務署からは「実質的には親の財産」と判断され、名義預金とみなされる可能性があります。その結果、贈与税の課税対象となることもあるのです。

贈与税との関係を理解しよう

贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。そのため、親や祖父母から子ども・孫へ贈与した金額が、1年間で110万円以内であれば、贈与税はかかりません。

一方、110万円を超える場合には、贈与税の申告が必要となります。申告者は贈与を受けた側、つまり子ども自身です。未成年の場合は親が代理して申告を行いますが、税金は子どもの財産から支払う必要がある点には注意が必要です。

仕送りなどの生活費や教育費については、扶養義務の範囲内であれば贈与税の対象にはなりません。子どもが生活する上で必要な費用まで、過度に心配する必要はありませんので安心してください。

未成年への贈与は法律的に有効?

ここで、「そもそも赤ちゃんや小さな子どもに贈与はできるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。贈与は本来、財産を与える側と受け取る側の合意によって成立する契約です。

赤ちゃんは自ら意思表示をすることができませんが、未成年には親権者が法定代理人として存在します。そのため、親が「この子に代わって受け取ります」と意思表示をすれば、赤ちゃんであっても贈与は有効に成立します。

なお、意思能力が備わる目安は7歳前後とされていますが、たとえ理解力がある未成年であっても、贈与を受ける際には親権者の同意が必要です。

名義預金を避けるための管理のポイント

贈与が法律上は有効であっても、実生活の中では、名義預金と判断されないための工夫が欠かせません。まず大切なのは、贈与の事実を明確にしておくことです。

贈与契約書を作成する、現金ではなく振込で受け渡しを行うなど、「いつ・誰から・誰へ・いくら贈与したのか」を客観的に示せる状態を整えておきましょう。

赤ちゃんや小さな子どもの場合、贈与契約書への署名は親が法定代理人として行います。祖父母から孫への贈与も同様に、親が法定代理人として管理しますが、そのお金を親が自由に使うと「親への贈与」と判断されることがあります。あくまで子どもの財産として扱い、私的に使われていないことを説明できる状態を保つことが大切です。

また、子どもがある程度お金のことを理解できる年齢に成長した段階で、預けているお金の存在や目的を伝えましょう。

もし子どもが贈与の事実を知らないまま親が亡くなり、後から子ども名義の口座だけが見つかった場合、相続の場面で「実質的に親の財産」と判断され、相続税の対象となるケースもあります。

このように、名義預金を避けるために重要なのは、「贈与の目的」「管理の実態」「子ども本人の認識」の3つがきちんと一致している状態を整えることだといえます。

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