はじめに
2027年に「こどもNISA」がスタートする見込みです。子どもがいる方は、「利用したほうがいいのだろうか」と気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、「こどもNISA」の概要と、利用するか検討する際に押さえたいポイントをお伝えします。
※本記事は令和8年度税制改正大綱を参考にしています。理解していただきやすくするために、大まかにお伝えしている部分もあります。制度は変更になる場合もありますので、利用の際は最新情報をご確認ください。
「こどもNISA」とは、大まかにどんなもの?
まず、「NISA(少額投資非課税制度)」について改めて確認しましょう。NISAとは、投資で利益が出た際に税金がかからない(=非課税になる)制度です。一人あたり利用できる金額が決まっており、現在は18歳以上という条件があります。
以前は「ジュニアNISA」という0歳から18歳未満の方が使えるNISAもありましたが、すでに終了しており、現在は新規での投資ができません。
しかし、2027年からいわゆる「こどもNISA」として、子ども向けのNISAが新たに始まる見込みとなりました。主なポイントは、以下の3つです。
1. 「つみたて投資枠」のみ
現在のNISA(以下、「大人のNISA」)は、投資信託の積み立てを前提とした「つみたて投資枠」と、投資信託以外にも株など幅広い金融商品を一括でも積み立てでも購入できる「成長投資枠」の2つの枠が利用できます。
一方、「こどもNISA」で利用できるのは「つみたて投資枠」のみとなる予定です。対象商品は、金融庁が定める投資信託に絞られ、ラインナップは大人のNISAから一部変更・追加になる見込みです。
2. 年間投資額は60万円、累計600万円まで
投資上限額は、一人あたり年間60万円まで、累計で600万円(いずれも購入時の金額)までです。
例えば0歳で毎年60万円(月々5万円)ずつ積み立てると、10歳で累計600万円に達します。もちろんこれは上限額であり、大人のNISAと同様に金融機関によって月100円や1000円といった少額からの積み立ても可能になると考えられます。
3. 引き出せる時期は12歳以降
お金を引き出せるのは原則「12歳以降」で、それまでは基本的には現金化できません。正確には「その年の3月31日において12歳である年(中学1年生になる年)の1月1日以降」となる見込みです
12歳以降になれば、入学金や授業料などの教育費や生活費の支払い目的であれば、保護者が(子どもの同意を得て)引き出すことができます。
かつての「ジュニアNISA」は、原則18歳まで引き出すことができませんでした。大学費用の準備を想定していると思われ、子どもの中学・高校の費用に柔軟にお金を使えないというデメリットがありました。
今回の「こどもNISA」は、12歳には引き出し可能となるため、中学・高校・大学のいずれの費用にも充てやすくなったといえます。
18歳以降はどうなる?
18歳になると、こどもNISAの資産は自動的に「大人のNISA(つみたて投資枠)」へ移行される見込みです。そのため、12~18歳の間に引き出さなければ、子どもから大人にかけて、非課税で投資し続けることも可能です。
ただし、こどもNISAには「成長投資枠」はないため、18歳になるまではNISA口座で株式の購入はできません。
投資信託は、幅広い投資商品に分散させることが基本ですので、短期的な売買で利益を出すのではなく、長期でじっくり資産形成をするのに向いています。そのため、こどもNISAが「つみたて投資枠」に限られ、長期投資を続けられる仕組みなのは、良い点だといえるでしょう。