はじめに
こどもNISAのメリットとデメリットは?
こどもNISAがスタートする前には、さまざまなニュースが増えることが予想されます。口座開設によるお得なキャンペーンや「教育費を準備するなら、こどもNISA!」といった言葉をさまざまな場所で見ることが増えそうです。
しかし、「こども手当」「児童手当」のように、条件を満たせば誰でも受け取れるお金と違う点に注意が必要です。「こどもNISA」は、子どもが利用できるという意味で、国民全員が必ず利用しましょう、という制度ではありません。
いずれにしても、「教育費の準備に、こどもNISAは利用すべき?」と迷う人も多いと思います。そこで、「こどもNISA」のメリットと注意点を整理したいと思います。
メリット
・教育資金などを非課税で運用できる。投資による利益が出た場合でも税金がかからない。
・原則12歳まで引き出しができないため、日常使いしてしまうことを防げる。結果として子どもが小さいうちから利用すれば、必然的に長期投資になる。
・0歳から、教育費がかさむ中高生・大学生になるまでは10年以上あり、その際に物価高のリスクがあるが、投資をすることで物価高対策にもつながる。
デメリット
・「こどもNISA」という、こどものための特別な投資方法だと勘違いをしてしまい、身の丈以上の金額で投資にお金を回してしまうと、12歳になるまでに大きなお金が必要になった場合(例:住宅購入、車の購入、引っ越し、親の勤務状況の変更など)に、すぐに使える預貯金が少なくて困窮する恐れがある。その際、クレジットカードのリボ払いやカードローンなどを利用することになれば、こどもNISAのお得な点が帳消しされたり、トータルでマイナスとなってしまったりする危険性がある。
・使いたい時期(私立中学入学時など)に相場が良いとは限らず、大きく相場が崩れた際に、損失を出したまま現金化せざるを得ない可能性がある。
・12歳で引き出し可能になるため、中高でお金を使いきってしまい、大学費用が足りなくなる危険性を考慮する必要がある。
以上のメリットとデメリットを考慮すると、NISAで購入する商品はつねに値動きがあるため、教育費をこどもNISAだけで準備したり、身の丈以上にお金を投じたりすることは避けるのが賢明です。賢く利用することが必要です。
「こどもNISA」は子どもがいる人は全員利用すべき?
「こどもNISA」という名称ですが、子どもがいる人が全員利用すべきかというと、その答えは「NO」です。「上手に利用できる人が、活用すべき制度」だと感じます。
検討する際は、以下のステップで考えましょう。
1. 家計の基盤を整える
まず、マネープランを立てること。今後5年くらいのうちに確実に使うお金があれば、預貯金でとっておきましょう。そのお金がまだ足りていなければ、預貯金でコツコツ貯めていきましょう。
2. 「大人のNISA」も選択肢に入れる
こどもNISAへの投資資金を考えます。月々100円や1000円などの少額でも積み立てが可能になると思われますが、生活費の無駄をカットできれば、預貯金やNISAにまわすお金が増えます。家計の見直しは、こどもNISAがはじまる前にも、ぜひ着手しておきたいところです。
そして、大人のNISAも活用しましょう。こどもNISAは原則12歳まで引き出しができませんが、大人のNISAはいつでも引き出しが可能です。そのため、教育費といっても、こどもNISAではなく、大人のNISAを活用することもできるのです。
月々3万円投資にまわすお金があれば、例えば、「こどもNISAに1万円、大人のNISAに2万円」と振り分けるのも一つの手です。これにより、子どもが12歳になるまでに引き出したくなれば、大人のNISAから引き出すことができます。12歳以降は、どちらでも選べるため、その時の相場に応じて選択肢がひろがります。
3. 元本保証の商品と組み合わせる
ンフレが続いているため、10年以上先に使う教育費を金利が低い預貯金だけで準備せず、NISAなどの投資性商品で準備することはよいことです。しかし、未来の相場は誰にも予想できず、使いたい時期に大暴落していれば、こどもNISAも大人のNISAも、損を出して引き出すことになります。
そのため、教育費のすべてをNISAで準備することは避け、一部を学資保険や預貯金、個人向け国債(変動10年)などで準備することをおすすめします。教育費は、使いたい時期が決まっているからこそ、元本保証の商品を取り入れることも大切です。
筆者自身も、中学受験、高校受験、そして大学受験を控えていますが、親の立場としても、さまざまなタイプの商品で準備をしておくことで、その時の状況によって柔軟に対応しやすいと感じております。
今後、こどもNISAがはじまる時期に向けて、ぜひ上記の点を心に留めながら、家計を整えつつ、教育費の準備にお役立ていただけましたら幸いです。
参考情報:財務省「令和8年度税制改正の大綱」
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