はじめに

児童手当を活用した積立シミュレーション

ここまでを整理すると、12歳までは原則引き出し制限があるものの、毎月5万円を上限(対象期間中の非課税投資上限は600万円)に無理なく積み立てができ、非課税で長期にわたり運用できる制度が新たに設けられる可能性がある、ということになります。

では、活用方法を考えてみましょう。

例えば、児童手当をこどもNISAで運用する方法があります。現在、児童手当は3歳までは月1万5,000円、3歳以降18歳までは月1万円、第3子以降は月3万円が所得制限なく支給されています。

仮に月1万円を年率4%で18年間積み立てた場合、元本216万円に対して、将来の資産額は約314万円になります。月1万5,000円であれば、約472万円です。

12歳以降に引き出しが可能となれば、それまでは比較的積極的な運用を行い、大学進学などのタイミングが近づいた段階で投資信託を売却し、定期預金などの安全資産へ移しておくといった運用も考えられるでしょう。

もっとも、引き出しにあたって授業料の支払いなど特定の目的を証明する書類が必要になるなど、過度に煩雑な要件が設けられないことが前提です。できるだけシンプルな制度設計が望まれます。

教育費に限らず、超長期の資産形成につなげられる

祖父母から孫への贈与の受け皿として、こどもNISAを活用することも考えられます。中学生以降は、子ども自身が積立に関わり、そのまま成人後も継続すれば、超長期の資産形成につなげることも可能でしょう。

近年、教育資金については「いくらかかるのか」ではなく、「いくらかけるのか」という考え方が広がっています。背景には、教育費の無償化が進んでいることがあります。

3歳から就学前までの保育料は無償化され、小中学校は義務教育として無償、高校についても公立に続き私立での無償化が段階的に進められています。大学進学に対する支援も拡充されています。

一方で、学習塾や習い事など、学校外教育費は高騰しています。子どもや家庭の価値観も多様化し、学校以外に教育の場を求めるケースも増えています。

子どもの進路は、親が思い描いた通りに進むとは限りません。成長とともに選択肢が変わるのは自然なことです。そのため、教育資金の準備にあたっては、柔軟に引き出せる仕組みを併せて考えることが重要になります。

こどもNISAの設立は、非課税制度の拡充として意義のある動きといえるでしょう。ジュニアNISAと比べて柔軟性が高く、使いやすい制度になる可能性が見えてきました。

教育資金に限らず、子どもの将来に向けたさまざまな目的に対応できる選択肢の一つとして、こどもNISAをどのように活用するか。今後の制度設計を注視しつつ、上手に活用していきたいところです。本稿が参考になれば幸いです。

新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]

この記事の感想を教えてください。