はじめに

ポートフォリオは“今の相場前提”になっていないか

次に目を向けたいのが、現在のポートフォリオです。株価が上昇していると、特別なことをしていなくても、自然と株式の比率が高まっていきます。とくにオルカンやS&P500のように株式比率の高い商品を中心に積み立てている場合、意識しないうちに資産全体のリスクが想定以上に膨らんでいることがあります。

ここで意識したいのは、ポートフォリオが、今の相場環境を前提に出来上がっていないかという視点です。上昇局面では、リスクの偏りは見えにくくなります。含み益があると、多少の値動きがあっても気にならず、「これくらいなら大丈夫だろう」と感じてしまうからです。

しかし、その偏りは相場が下がったときに、はっきりと姿を現します。地域や通貨が偏っていないか。特定の資産に集中しすぎていないか。「最近よく上がっているもの」ばかりで構成されていないか。相場の先行きを当てにいくよりも、構成を整えること。好調相場の今こそ、冷静に点検しておきたいポイントです。

下がったときも同じ行動が取れるか

もう一つ、判断軸として大切にしたい問いがあります。それは、相場が下がったときも、今と同じ行動が取れるかということです。

価格が下がっても積立を続けられるか。
余裕をもって追加投資を検討できるか。
不安に押されて、すべて売ってしまいたくならないか。

頭では理解していても、相場が実際に下がると感情は大きく揺れます。好調なときに描いていた投資行動が、下落局面でも現実的かどうかは、事前に想像してみなければ分かりません。

「下がったら考える」のではなく、「下がったときの自分」を想定しておくこと。それもまた、立派な投資判断の一つです。

好調相場の今こそ、「急がない」という選択肢

相場が良いと、「今すぐ始めないと乗り遅れてしまうのではないか」という気持ちが芽生えやすくなります。周囲の成功体験やSNSの情報が、その焦りを後押しすることもあるでしょう。

けれども、投資において急がないことは、決して間違いではありません。むしろ、判断を整えるための大切な時間です。投資をしない期間は、何もしない時間ではありません。考える時間であり、準備する時間であり、自分が取れるリスクを見極める時間でもあります。

相場の動きはコントロールできませんが、自分の判断の質はコントロールできます。好調相場の今だからこそ、なぜ投資をするのか。どの程度の変動なら受け入れられるのか。どんな形で投資を続けたいのか。

そうした点を、静かに見直してみる価値があるはずです。

相場がいい今だからこそ、立ち止まる意味

相場が良い時ほど、投資はうまくいっているように見えます。しかし、その裏で判断が曖昧になっていないかを点検することが大切です。

相場の先行きを予測するよりも、自分がどんな基準で投資と向き合っているのかを確認する。好調な今こそ、その判断軸を整えるタイミングなのかもしれません。

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