はじめに

2026年2月8日の衆院選は、自民党の大勝という結果に。市場はこれを「不確実性の低下」と歓迎し、株価は祝儀買いの様相を呈しています。しかし、真の勝負はここからです。拡大する財政支出、動く長期金利、そして構造的な脱デフレへの転換。お祝いムードの裏側で、投資家が冷静に見極めるべき「政策の質」と「相場の地合い」の本質を解説します。


政権安定がもたらす「政策の実行力」

今回の衆院選(2026年2月8日)では自民党が大きく議席を伸ばし、政権運営の自由度が高まったことが市場に好感されています。

自民党が大勝した直後の相場は、いわば「答え合わせの週」です。選挙前に市場が織り込んでいた期待が、結果によっていったん肯定され、株価は上に跳ねやすくなります。実際、今週は選挙後の株価は大きく上昇しました。

しかし、この局面で本当に大事なのは「勝ったから安心」ではなく、これから具体化する政策の中身と、その副作用(特に金利・為替・財政)まで含めて、冷静に点検していくことです。

まず個人投資家として見ておきたいのは、「何が決まりやすくなったのか」です。政権が強いと、景気対策や減税、補助金、投資促進策といった需要を作る政策が進みやすくなります。他方で、その規模が大きいほど「国債増発→長期金利の上昇→株のバリュエーション(PER)に逆風」という連鎖も起こり得ます。実際、海外メディアも選挙結果を受けて、減税や景気刺激策の実行可能性を注視しています。

株価と円相場を「同じ画面」で追う重要性

株を運用する人ほど、株価だけでなく長期金利(10年国債利回り)と円相場の動きを、同じ画面に並べて確認しておくべきです。これにより相場の地合いが読みやすくなります。

次に、「高値更新の中身」を確認します。選挙後の上昇が指数主導(大型株だけ)なのか、値上がり銘柄が広がる裾野の広い上昇なのかで、相場の体力が変わります。短期のお祝いムードで駆け上がっても、幅広い銘柄が付いてこない相場は息切れしやすいからです。逆に、内需・金融・設備投資関連までじわっと買いが波及するなら、「期待」から「実需」へ移り始めているサインになります。

「政策の追い風」と「金利感応度」の仕分け

この局面では、「政策で追い風が吹きやすい場所」と「金利変動に強い場所」を分けて考えます。政策面では、国土強靭化が意識されるなら建設・土木や素材、安全保障が議論されるなら電子部品やサイバーセキュリティ、航空宇宙などがテーマになります。(ただしテーマ株は値動きが荒くなりがちなので、買い方は分散・時間分散が基本です)。

金利面では、上昇局面は銀行などの金融セクターに追い風となる一方、将来の成長期待で買われるタイプのグロース株は、同じ業績でも評価が揺れやすくなります。セクターを見る際も「業績」だけでなく「金利感応度」を意識することで、ニュースの解像度が高まると考えます。

短期的な期待で動く相場を生き抜くには、政策の質と金利感応度という冷静な目線が不可欠です。この視点を踏まえ、次に日本株の評価を一変させる中長期の「5つの構造変化」を解説します。

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