はじめに

新FRB議長は7月か9月に利下げに踏み切る?

【米利下げ】
現在、多くの投資家が関心を寄せるのが「米FRB(連邦準備制度理事会)がいつ利下げに踏み切るか」という点です。現状、米経済は成長率が減速する一方、個人消費や雇用、消費者物価などは堅調に推移しています。米政府機関閉鎖の影響で雇用統計など一部重要指標の発表に遅れが生じていることは懸念すべき材料のひとつではありますが、以前から指摘されてきた「AIバブルの崩壊による株式相場の暴落」は、まだ起きていません。AIバブルの命運を握るのは米半導体メーカーのエヌビディア。2月26日に発表された決算では、引き続き市場予想を上回るなど好調を維持しており、目先はAI関連銘柄の相場が大崩れすることはなさそうです。

トランプ大統領は膨らみ続ける政府債務の負担軽減を理由に、パウエルFRB議長に対して再三再四、利下げを要求してきました。この利下げ圧力に対して、「トランプ大統領は金融行政の独立性を軽視している」と、世界中から批判されています。そんな中、トランプ大統領は1月30日、5月に任期を終えるパウエル議長の後任にケビン・ウォーシュ氏を指名しました。

ウォーシュ氏は、2006年から2011年にFRBで理事を務め、2008年のリーマンショックが収束した後も金融緩和を続ける当時のバーナンキFRB議長を批判するなど、いわゆる「タカ派」として知られています。とはいえ、2018年には利上げや量的引き締め策を停止すべきと主張するなど、常にタカ派というわけではないもよう。どちらかというと、「現状に即して柔軟な金融政策を取る」スタンスと考えて良さそうです。

もっとも、ある日本の為替業界の重鎮は「トランプ大統領は、ウォーシュ氏との面談を経て次期FRB議長に指名した。当然、ウォーシュ氏はトランプ大統領の利下げ要求について認知しており、その上で次期議長に指名されたということ。この経緯を考えると、ウォーシュ氏が一度も利下げを行わないとは思えない」と指摘。これは、かなり腑に落ちる分析と言えるのではないでしょうか。

ウォーシュ氏が就任してから初めてのFOMC(連邦公開市場委員会)は6月16日、17日。その後の開催日程は、7月28日・29日、9月15日・16日、10月27日・28日、12月17日・18日です。就任直後の6月に利下げに踏み切った場合、世界から「FRBはトランプに屈した」と批判される可能性があり、ウォーシュ氏としても就任直後から悪評が広がるのは避けたいはず。前述したFRB議長就任の経緯とトランプ大統領の意向を考えると、「7月以降、11月の中間選挙前」、つまり7月か9月に、利下げに踏み切る可能性が高いと思われます。

市場でFRBが利下げを行うとの認識が広がれば、為替相場では円高・ドル安圧力が高まるはずです。もちろん、6月以降の米経済や金融市場の動向次第で状況は変化しますが、このシナリオは頭の片隅に置いておくべきでしょう。

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