はじめに
2026年3月の株式市場は、中東情勢、原油高、インフレ再燃懸念、金利の高止まり観測など、複数の不確実性を同時に織り込む局面にあります。こうしたときに問われるのは、何を買うかだけではありません。成長を狙いながら、どう守るか。その発想を持てるかどうかが、長期の資産形成に大きな差を生みます。
複数のリスクが重なる局面では判断が難しくなる
2026年3月時点の株式市場は、個人投資家にとって非常に判断が難しい局面にあります。
中東情勢や原油高に加え、複数のリスクが同時に意識されます。まず米国では、景気減速の兆しが見られる一方、関税やエネルギー価格の影響でインフレが再燃する可能性があり、金融政策の舵取りが難しくなっています。これにより長期金利が高止まりすれば、特にグロース株のバリュエーション調整圧力が強まります。また、通商政策の不透明感は企業の投資判断を鈍らせ、世界景気の下押し要因となります。さらに、台湾有事を含む東アジアの地政学リスクは、半導体供給網に大きな影響を与える潜在的リスクとして無視できません。加えて、中国経済は回復の兆しと構造不安が混在しており、日本企業の業績見通しも振れやすい状況です。さらに、AI関連投資の過熱による期待剥落リスクもあり、これら複数の要因が重なることで、相場のボラティリティが高まりやすい点には注意が必要です。
長期投資でも保有資産の性格に応じた見直しは必要
誤解してはいけないのは、「長期投資だから何もしなくていい」という話ではないことです。
NISAを使った積立投資のように、時間分散を前提にした資産形成は、相場が不安定でも基本的にはルール通り継続すべきものです。一方で、個別銘柄やテーマ型ファンドなど、まとまった金額を一度に投じた資産は別です。積立以外で保有している場合は、相場急変時のリスクに備える視点が欠かせません。
守りの資産は下落局面でのダメージを抑える役割がある
プロの投資家が重視しているのは、「リスクをゼロにすること」ではなく、「リスクが顕在化したときに資産全体へのダメージを抑えること」です。
そのために行うのが、資産の一部を相対的に値動きの性格が異なる資産へ振り分けておくという発想です。相場全体が大きく崩れるとき、手元に余力があれば、押し目買い(一時的に下がった局面で将来の回復を見込んで買うこと)を検討できます。
では、そうした場面で候補になりやすい資産には、どのようなものがあるのでしょうか。