はじめに

金は地政学リスクとインフレ局面で役割を持ちやすい

守りの資産として代表的なのが「金(ゴールド)」です。

金は古くから「有事の資産」とされ、戦争や金融危機、インフレ懸念が強まる局面で資金が流入しやすい性質があります。株式や債券と異なり、特定の企業の業績や信用リスクに直接依存しないため、システム全体に対する不信感が高まる場面では相対的に強さを発揮します。

中央銀行による金の買いは、2025年通年で863トンと歴史的に高い水準でした。個人投資家にとっても、現在のように地政学リスクとインフレ懸念が同時に存在する環境では、ポートフォリオの一部に金を組み入れておくことは、合理的なリスク分散と言えるでしょう。

国内高配当株は下値を支える役割が期待できる

次に考えたいのが「国内の高配当株」です。

株式はリスク資産と捉えられがちですが、値動きの質は一様ではありません。通信、インフラ、食品、電力、保証、リースといったセクターは、景気変動や為替の影響を比較的受けにくく、安定した収益基盤を持っています。こうした企業は、株価が大きく上昇する局面では目立たないかもしれませんが、相場が不安定なときの下支え役となる傾向があります。

例えば、ソフトバンク(9434)は、通信を軸に継続収益を持つ企業です。三菱HCキャピタル(8593)は、リースやインフラなど分散された収益源を持ち、高配当かつ長期保有向きのインカム銘柄です。NTT(9432)は通信インフラの代表格で、景気変動の影響を受けにくく、安定配当と増配期待のバランスが良い銘柄です。KDDI(9433)は、通信に加え、金融・決済などのストック収益も広がっており、ディフェンシブ性と成長性を兼ね備えています。積水ハウス(1928)は、住宅需要の安定性と海外展開により収益基盤が広く、大和ハウス工業(1925)は、不動産や物流施設など幅広い事業でキャッシュフローが安定しています。全国保証(7164)は住宅ローン保証の最大手で、事業の見通しが比較的立てやすい銘柄です。東京センチュリー(8439)は、リースを中心にインフラや航空などへ展開しており、安定配当と成長の両面を持ちます。日本たばこ産業(JT)(2914)は、高い営業キャッシュフローを背景に安定した高配当を継続しており、海外比率はあるものの収益構造は強固です。

現在の日本株市場は、企業の資本効率改善や株主還元強化の流れが続いており、高配当株の投資妙味は以前よりも高まっています。単に利回りが高いだけでなく、増配余地や自社株買いの余力なども含めて評価することで、より質の高い「守りの株式投資」が可能になります。

ディフェンシブ成長株は守りの中にも伸びしろを残せる

もう一つ注目したいのが、安定した事業基盤を持ちながら一定の成長性を備えた「ディフェンシブグロース」と呼ばれる成長株です。

景気後退の局面でも一定の需要が見込まれ、相場全体が下落する中でも比較的堅調に推移するケースが多く見られます。例えば、医療関連や一部のITサービス、生活インフラに近いビジネスモデルを持つ企業などが該当します。しかも配当も期待できる銘柄は、株価が一時的に下がった局面で買いを検討する、押し目買いの候補にもなりやすいでしょう。イントラスト(7191)は、家賃債務保証や医療費用保証といったストック型事業を展開し、高齢化社会を背景に需要が見込まれる事業を持つ企業です。エックスネット(4762)は、金融機関向けの証券管理システムを月額利用料型で提供しており、サブスク型の収益基盤を持っています。参入障壁のある事業を展開する小型成長株です。SBIインシュアランスグループ(7326)は、損害保険、生命保険、少額短期保険を展開する保険持株会社で、SBIグループの知名度や販売基盤を背景に顧客基盤を広げています。

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