はじめに
イラン情勢の緊迫化が続くなか、リユース業界3社の株価は相対的な底堅さを見せています。不要品を売りたい消費者の節約志向と、良品を安く買いたい買い手のニーズが同時に高まる局面は、リユース市場にとっては追い風に。
BuySell Technologies(7685)、コメ兵ホールディングス(2780)、トレジャー・ファクトリー(3093)の3社は、いずれも直近の本決算・四半期決算で増収増益を達成しており市場環境の良さがうかがえます。しかし、ビジネスモデルや成長の方向性には大きな違いがあり、ここから投資妙味があるのはどの企業か考えたいと思います。
売上高1,000億円超え、二桁成長を続けるBuySell Technologies
BuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ)は、2025年12月期決算(2026年2月13日発表)で、売上高1,006億円(前期比+67.8%)、営業利益90億円(前期比+91.1%)と大幅な増収増益を達成しました。当期は3度にわたる上方修正を重ね、最終的に営業利益率9.0%で着地。着物・骨董品を得意とする出張訪問買取を軸に、2024年に買収した同業のレクストホールディングスとのグループ連携が想定以上に進んだことが利益を押し上げています。
同社の最大の特徴は、訪問買取と店舗買取の融合によるグループシナジーにあります。リピート顧客の獲得強化により再訪率が中期計画の目標値10%を超過し、訪問1件あたりの粗利単価も継続的に上昇しています。2026年1月には傘下の複数社を吸収合併し「Reuse Shop WAKABA」「買取むすび」などのブランドを「バイセル」に統合、間接部門の効率化と認知拡大を図っています。また新規M&Aとして九州エリアで「買取専門店 諭吉」を運営するDelightZの完全子会社化を発表。積極的なM&A姿勢は崩さず、2026年12月期の会社予想は売上高1,300億円(前期比+29.2%)、営業利益125億円(前期比+38%)と今期も二桁成長の見込みです。
株価は24年の半ばから上昇トレンドを継続しており、3月17日には上場来高値の7,070円をつけています。ただ、足元では5,000円台後半まで調整しており、予想PERは23倍台で当社にしては割安圏に入っています。今後、業績の継続的な上振れが確認できれば再び高値を狙う展開は十分に考えられる一方、株式市場のリスクオフが続く局面では利益確定売りも出やすいかもしれません。中長期的には出張訪問買取のさらなる強化と店舗買取のスケールアップが株価上昇の鍵になりそうです。
海外展開で新フェーズへ突入のコメ兵ホールディングス
コメ兵ホールディングスは2026年3月期第3四半期累計(2026年2月13日発表)で、売上高1,575億円(前年同期比+40.9%)、営業利益57億円(前年同期比+12.6%)と増収増益を達成。第3四半期3か月間の売上高・営業利益はいずれも四半期ベースで過去最高を記録。金相場高騰を追い風に個人買取が前年同期比139.1%増とこちらも四半期ベースで過去最高を更新。次々と記録を塗り替える勢いが続いています。創業80周年を見据えた中期経営計画では、最終年度2028年3月期に売上高2,600億円を目指しています。
コメ兵の強みは「KOMEHYO」「BRAND OFF」「Rodeo Drive」の複数ブランドを国内外に展開するマルチブランド戦略と、901名の鑑定士を擁する人的資本の厚さにあります。国内では心斎橋・横浜に旗艦店を出店し都市圏でのプレゼンスを強化。海外ではアジアを中心に6カ国・地域に37店舗展開しつつ、米国での個人買取も2025年10月から開始しています。海外売上高は現時点では10%程度ですが今後の拡大が期待されます。
株価は2023年8月の高値6,390円から長期下落トレンドが続いていましたが、第3四半期決算発表後の2026年2月下旬から急反発し3月11日には5,340円まで上昇。予想PERは12倍台と割高感はなく、インバウンド需要の継続や金相場の高止まりが追い風となる局面では上値余地が大きいです。ここのところ金価格が急落していることもあり、株価がやや調整気味ですが、一時的な動きであれば、ふたたび吹き上がる可能性も考えられます。