はじめに

iDeCoや企業型確定拠出年金は、運営管理機関が加入者に提示する運用商品の数を「3本以上35本以下に収めなければならない」という35本ルールが存在しています。あまりにも本数が多いと選べなくなることが理由ですが、それに際して行われる除外・入替については、注意が必要です。


「35本ルール」のしくみ

35本ルールがあるおかげで、加入者によっては「選択肢が多過ぎて、何をどう選べば良いのか分からない」といった悩みは、だいぶ少なくなったと思います。

しかし、その反面「35本以下に収めなければならない」ことによる弊害もあります。それは運用商品の「除外・入替」が定期的に行われることです。

たとえば現在、35本の投資信託がラインナップされているとします。そのうち5本のファンドの運用成績が芳しくなく、一方で運用成績が非常に優れたファンドがあった場合、運営管理機関は運用成績の良い新しいファンドを加えたいと考えます。しかし、上限の35本に達している以上、新しいファンドを運用商品に加えることができません。そこで、運用成績の悪いファンドを除外し、空いた枠に新しいファンドを加えます。これが「除外・入替」です。

除外されたファンドはどうなるのかというと、毎月の掛金による新規買い付けができなくなります。すでに保有している分は運用を継続できますが、追加で買い付けることができないので、事実上、年金運用の機能は停止されたも同然になります。

除外基準は運営管理機関によって異なる

より良い投資信託を運用商品のラインナップに揃えたいという運営管理機関の意図からすると、除外・入替は批判されるものではありません。ただ、いくつかの点において、クリアすべき課題はありそうです。

まず除外・入替を行う際の、ファンドの評価基準です。楽天証券やSBI証券が直近では除外・入替を公表していますが、たとえばSBI証券の場合だと、外部評価会社のレーティングが2以下で、その状況が6カ月以上続いていることや、同じく外部評価会社のレーティングが商品カテゴリーの平均を中長期的(3~5年目途)に下回っている場合に、除外の対象になります。また楽天証券では、「楽天証券ファンドスコア」の24カ月ローリングリターンにおいて、期間5年の平均値が一定水準を下回ったファンドを、除外対象としています。

いずれにしても、3~5年程度の運用成績で除外するかどうかが判断されるわけですが、iDeCoなど確定拠出年金は長期で資産形成をするためのツールですから、3~5年程度の運用成績で判断するのは、いささか測定期間としては短いように思えます。

また、前述したように運営管理機関によって、除外の選定基準が異なります。iDeCoや企業型確定拠出年金に加入した場合は、運営管理機関の除外基準がどうなっているのかを事前に把握しておいたほうが良いでしょう。

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