はじめに
「今年こそはNISAを始めてみたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。ニュースやSNSでもNISAの話題を目にする機会が増え、すでに始めている人の話に触れ、未経験者の方も関心が高まっていると思います。
一方で、初心者の方は、NISAについて勘違いしていることが少なくありません。勘違いしたまま始めてしまうと、「こんなはずじゃなかった」「失敗した」と後悔してしまうかもしれません。
そこで今回は、NISAのよくある勘違いについて5つ紹介します。正しく理解したうえで、スタートしましょう。
勘違い1:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は完全に別物?
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。2つはまったく別の制度だと勘違いされがちですが、実際には商品ラインナップは一部重なっています。「つみたて投資枠」は、金融庁が長期・積み立て・分散投資に適していると判断した投資信託のみが対象で、積み立て投資が前提です。「成長投資枠」は、投資信託に加えて、個別株など幅広い商品を購入できます。投資信託のラインナップは幅広く、「つみたて投資枠」のラインナップも含まれています。
ポイントは、「つみたて投資枠」で購入できる投資信託は、「成長投資枠」でも購入可能だという点です。「つみたて投資枠でしか買えない商品」はありません。両方の枠で、同じ投資信託を積み立てることもできるのです。つまり、成長投資枠は「つみたて投資枠にある商品を含んで、より広い商品から選べる」と考えるとわかりやすいでしょう。
初心者の方は、「成長投資枠」は選べる商品が多いため、少々迷ってしまうかもしれません。その際は「つみたて投資枠」で買える商品からスタートすると、スムーズかと思います。
勘違い2:商品を売却したら、翌年に無制限で枠が復活する?
新NISAでは「商品を売却すると枠が翌年復活する」と聞いたことがある人も多いでしょう。ただし、この話には重要な前提があります。
復活するのは「年間360万円の枠」ではなく、「生涯投資枠1,800万円」の部分。年間で投資できる上限は毎年360万円までで、枠が復活するといっても、それを超えることはないのです。たとえば、ある年に360万円分投資し、その一部を売却して利益が出たとしても、翌年に360万円を超えて投資できるわけではありません。あくまでも、生涯で使える1,800万円の枠を超えた場合に、売却分が翌年復活する仕組みです。
現時点(2026年)では、新NISAがはじまって3年目で、年間の枠を目いっぱい使っているとしても、360万円×3年分=1,080万円です。売却分の枠自体は翌年復活する仕組みですが、生涯投資枠(1,800万円)にまだ余裕がある現段階では、枠の復活によって「新たに投資できる枠が増えた」という実質的な恩恵を感じることはありません。
最短でも、2024年から2028年までの5年間で年間360万円の枠を使い切り、生涯投資枠の上限に達した人が、初めてこの「枠の復活」を本格的に意識するようになるというわけです。そのため、現在では多くの人が「枠復活」を過度に意識する段階にはないと思っておくとよいでしょう。
勘違い3:NISAは必ず儲かる?
SNSなどでは、「NISAをやらないなんて、もったいない」「NISAなら儲かるのに…」といった言葉も見られます。そういった情報を鵜呑みにして、「NISAは必ず儲かる」と勘違いしてしまう初心者の方もいます。
しかし、NISAは「利益が非課税」という大きなメリットがありますが、「必ず儲かる制度」ではありません。あくまで投資である以上、価格変動のリスクは避けられません。元本割れをする可能性もありますし、短期間で見れば資産がマイナスになることもあります。NISAは利益そのものを保証してくれる制度ではないのです。
ただし、長期・積立・分散を意識することで、リスクを抑えながら運用することは可能です。「必ず儲かる」と期待するのではなく、「リスクと向き合いながら資産形成をする制度」と理解しておきましょう。