はじめに
両社に共通する問題は「成熟化」
オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートという唯一無二のコンテンツを持ちながらも、入園者数の頭打ちという物理的な限界に直面しています。設備投資で魅力を高めても、それが必ずしも利益の増加につながらない構造的な問題があります。
サンリオは、キティちゃん50周年などの一過性のイベント効果に依存する体質から抜け出せていません。しかも今回のガバナンス問題は、企業の信頼性そのものを揺るがしかねない深刻な事態です。個人的には、ニッポンのカワイイ文化60年史サンリオ展には2度訪れて、サンリオグッズを買い漁るほどのサンリオファンですが、さすがに今の状況だと投資するのは躊躇してしまいます。
両社とも、これまでは「いつかは報われる」という期待で個人投資家に支持されてきました。しかし、その期待の前提となる持続的な成長に疑問符がついているのです。
その「信じる」は「執着」という心のワナではないか?
オリエンタルランドもサンリオも、どちらもわたしたちにとっては親しみがあり、なおかつ「ワクワク」を与えてくれる稀有な銘柄です。ディズニーランドや、サンリオキャラクターが好きという気持ちで、投資デビュー株として選ばれることも多いように感じます。どちらも以前は、株式市場の超優等生銘柄だったため、タイミングよく買った人は、十分な利益となったかもしれません。しかし、そのままずっと持ち続けていたら、もしくは、下がったところでバーゲンセールと思って買ったならば、報われないまま塩漬けになっている人が多いはず。こうなってくるとますます売りづらくなるのが人情です。「信じて持ち続ける」と言えば信念をもった投資に聞こえますが、もしかしたらそれは「執着」ではないか、とも思うのです。
もちろん、両社とも完全に終わったとは思いません。オリエンタルランドは2028年にクルーズの就航や45周年イベントなど、新たな成長ドライバーを準備しています。日本のテーマパーク事業において圧倒的な競争優位性を持っていることも事実です。
サンリオは、ハローキティを筆頭とする強力なキャラクターIPを保有しており、特に海外での展開余地はまだまだ大きいと考えられます。いつか再び!との期待はどこかで持っていたいとは思います。
ただし、やはり、今の両社の状況を考えると、しばらく時間はかかりそうです。現在、どちらも株価は底値圏で推移していますが、「安いから買い」という発想は危険です。なぜ安いのか、今後の成長ドライバーは何か、リスクはどこにあるのかを冷静に分析することが重要です。
個人投資家の皆さんには、片目をつぶって「信じて待つ」ではなく、気持ちをフラットにして考えてみてほしいのです。その上で持ち続ける選択をするなら、それはもうあっぱれです! それほどの情熱を持ってホールドするのも株式投資の醍醐味なのかもしれません。