はじめに

ステップ3:余裕資金のボーダーラインを引き直す

最後に確認したいのが、運用に回しているお金が本当に運用にあてていいものなのか、という点です。

投資の鉄則は、当面使う予定がなく、最悪なくなっても生活に困らないいわゆる「余裕資金」の範囲内で行うことです。ところが「繰り上げ返済の原資」は、本来は住宅ローンという負債を着実に減らすために確保されていた資金です。その原資はもともと余裕資金とは違う性格のお金だったのです。それをこれまではリスクをとり運用に回してきたわけですから、不確実性の高まっている局面で続けるリスクは大きいといえます。

最悪のケースでは運用環境の悪化と生活環境の悪化が重なり、家計は二重三重のダメージを受けるかもしれません。投資環境が良好な間はあいまいになりがちだった資金のボーダーラインを、あらためて確認しておくことは重要です。

まずは家計の棚卸しから

これまでは見えていなかったリスクが見えてきて、不安を感じていらっしゃる方は少なくないことと思います。住宅ローンは大きなものだからこそ、特に不安に思ってしまう気持ちは自然なものです。しかし、前述したとおり、住宅ローンの繰り上げ返済は「攻め」の策ですから、まずはご家庭にとってそれが適切な選択肢であるかを確認することが先です。

ここまで見てきた三つのステップは、いわば家計の棚卸し作業です。家計の耐久力とご自身にとっての優先順位、そして余裕資金のボーダーライン。この三つが見えてくれば、次に何をすべきかは自然と浮かび上がってくることと思います。大きくお金を動かす前に、まずは家計の棚卸しをするところから始めてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の投資判断や返済判断を推奨するものではありません。

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