はじめに

保険料払込免除特約は「お得」なのか?

変額保険のメリットとして、よく強調されるのが「保険料払込免除特約」です。たしかに、三大疾病などで所定の状態になった場合、その後の保険料負担がなくなるのは安心感があります。しかし、本当にお得なのでしょうか。

先ほどと同条件で、三大疾病による保険料払込免除特約を付けた変額保険では、年3%運用時の受取額は1155万円から1060万円に下がります。

これをNISAで再現する場合、月額1万4400円の積み立てで約1059万円になります。ここに保険料払込免除特約付きの定期保険(月額約3300円)を加えても、合計は約1万7700円です。

変額保険の2万円と比べると、毎月2000円以上安く済みます。特約を付けると安心感は増しますが、その分だけ保障のコストが増え、運用に回るお金が減ってしまうのです。結果として、資産形成の効率はさらに下がります。

短期で解約すると、元本割れしやすいのが最大の問題

さらに変額保険には「解約控除」という仕組みがあります。契約後5〜10年以内に解約すると、ペナルティーがあり大きく減額されます。つまり、短期間で解約した場合、元本割れしやすい構造になっています。

税制についても、生命保険料控除があるため一見有利に見えますが、受け取り時には課税が発生します。しかも、所得税・相続税・贈与税など契約形態によって扱いが変わるため非常に複雑です。そのため全体で見れば、必ずしも単純に有利とは言い切れません。

保険と運用は分けるべき

ここまで見てきた通り、「運用効率はNISAの方が圧倒的に高い」「保険は定期保険の方が安い」「特約を付けるとさらに運用効率が下がる」「短期で解約すると元本割れしやすい」といった点が、「変額保険は損」と言われる理由です。資産形成と保障は役割が違います。

保険は保険、運用は運用と分ける。このシンプルな考え方の方が、結果的に合理的で、家計にもやさしい選択になるのです。

※記事内の試算は、一定条件による比較の一例です。実際の保険料や保障内容、運用結果などは、商品や契約条件によって異なります。

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