はじめに

毎年6月ごろに届く「住民税決定通知書」、なんとなく目を通して終わりにしていませんか。

「去年より高い気がする」と感じても、そういうものかと深く考えず見過ごしてしまう人は少なくありません。住民税は、前年の所得や控除の状況をもとに計算される仕組みです。2026年度の住民税は、2025年の所得をもとに計算されます。この仕組みを知らないと、「収入が減ったのに税金が上がった」と感じてしまう原因になります。

とはいえ、すべてが正しく計算されているとは限りません。通知書を確認することで、税額が増えた理由や、見落としていた控除に気づけることもあります。

今回は、通知書で確認したい「課税所得金額」「所得控除額」「住民税額」の3つを順に解説します。


税金のベースとなる「課税所得金額」を確認する

まず確認したいのが「課税所得金額」です。これは、所得から各種控除を差し引いた後の金額で、住民税の計算の土台になります。

課税所得が増えていれば、税額が上がるのは自然なことです。たとえば、副業収入が増えた、残業が多かったなど、前年の所得が増えている場合は、その影響がそのまま反映されます。

一方で、収入が大きく変わっていないにもかかわらず課税所得が増えている場合は注意が必要です。控除が減っている、あるいは何らかの計算上のズレが生じている可能性も考えられます。

なお、2025年度(令和7年度)からは給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられるなど、税制改正が行われています。前年との単純比較だけでは分かりにくいケースもあるため、制度変更の影響も確認しておくと安心です。

見落としやすい「所得控除額」の反映状況を見る

次にチェックしたいのが「所得控除額」です。控除は課税所得を減らす役割があり、この金額が小さくなると税額は増える仕組みになっています。

たとえば、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用していた場合でも、その後に医療費控除などで確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。そのため、確定申告書にふるさと納税分もあわせて記載しないと、寄附金控除が反映されず、住民税が想定より高くなるケースがあります。確定申告を行う際は留意が必要です。

もし住民税決定通知書を見て、「ふるさと納税分が反映されていない」と気づいた場合でも、還付申告できる可能性があります。確定申告の内容修正や住民税の更正手続きが必要になるため、まずは税務署や市区町村へ相談するとよいでしょう。

配偶者控除や扶養控除も見直しが必要です。配偶者の収入が一定額を超えた場合や、子どもが就職して扶養から外れた場合は、控除額が減ることで税額が上がることがあります。

生命保険料控除なども含め、前年に申告した内容と照らし合わせて確認することが大切です。

最終的な「住民税額」と前年との差から原因を読み解く

最後に確認するのが、実際に支払う「住民税額」です。ただし、この金額だけを見ても、なぜ増減したのかは分かりません。重要なのは、これまで見てきた「課税所得」と「控除額」をあわせて考えることです。

たとえば、課税所得が増えていれば、収入増が原因と考えられます。一方で、課税所得が変わらないのに税額が上がっている場合は、控除の減少が影響している可能性があります。このように、複数の数字を組み合わせて見ることで、「なぜ住民税が増えたのか」を自分で判断できるようになります。

なお、住民税は「所得割」と「均等割」の合計で決まります。所得割は課税所得に一定の税率を掛けて計算され、多くの自治体では都道府県民税4%・市区町村民税6%の合計10%となっています。均等割は所得にかかわらず定額で課される部分で、多くの場合は年間5,000円前後(森林環境税1,000円を含む)です。制度の詳細は、総務省 の「個人住民税」でも確認できます。

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