はじめに
マッチング拠出か?iDeCoか?選択する際に押さえておきたいポイント
①同じ会社に勤め続ける場合
この場合は、マッチング拠出を利用した方が費用負担の観点から有利になることが多いです。iDeCoは年間2,000円程度の口座管理手数料を加入者自身が負担しますが、マッチング拠出なら一般的に会社が負担します。年間約2,000円とその差は小さく見えますが、30年間利用すれば6万円の確実なコストの差となります。
ただし、会社が用意している運用商品の信託報酬が高いものばかりの場合は、この限りではありません。信託報酬は運用額に応じて増えていきます。そのため、運用額が小さいうちはマッチング拠出の方が有利でも、資産が積み上がるにつれて、iDeCoの方がコスト面で有利になるケースもあります。自分が選択できる商品の信託報酬水準と、今後の積立額を踏まえて判断することが重要です。
②転職の可能性がある場合
この場合は、iDeCoを選択した方がより良い選択となることが多いです。マッチング拠出はあくまで現在の勤務先の制度であるため、退職すると拠出も止まります。転職先に企業型DCがない場合はiDeCoへの移行手続きが必要です。6か月以内にこの手続きをしないと、資産が国民年金基金連合会に自動的に移管され、現金化されてしまうため、運用の機会を失ったまま手数料だけが発生し続けることになります。最初からiDeCoで運用していれば、転職後も自分専用の口座として積み立てを継続できます。目先の手数料よりも、将来の手続きの漏れや拠出停止リスクを防ぐ観点でiDeCoを選ぶという考え方です。
判断を先送りにしないために、今すぐ取るべき2つのアクション
今回の改正を踏まえて、今やるべきことは以下の2点です。
①会社の規約改定状況を担当部署に確認
改正に対応していなければ、今回の制度変更の恩恵を受けられないので、まずはここを明確にしましょう。
②今後のキャリアプランをあらためて考える
今後のキャリアプランと老後資金形成は密接に関わっています。現時点で転職の予定がなくても、5年後・10年後のキャリアを思い浮かべながら判断することが大切です。
拠出の自由度が高くなったということは、今まで以上に戦略的に制度を活用できるかどうかで将来の資産に大きな差が出るということです。2026年12月にはさらに掛金の上限引き上げも予定されており、今年は老後資金形成の戦略を見直す絶好の機会です。今回の制度改正を、これまで何となく後回しにしてきた積み立て方を見直すきっかけにしてください。