はじめに
長年にわたり米投資会社バークシャー・ハサウェイを率いてきた著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が2025年末でCEOを退任し、市場の関心は新たな経営体制の動向に集まっていました。 そして5月15日、グレッグ・アベル新CEO就任後としては初となる、3月末時点の保有有価証券報告書が開示されました。アルファベット株の大幅な買い増しや、一部の有名企業の全売却など、新体制における最新のポートフォリオを紹介します。
航空・百貨店の買い増しが判明
デルタ航空株の6.1%を26億5,000万ドルで購入したことが明らかになりました。同社はアメリカン航空、ユナイテッド航空と並ぶ米国の“航空御三家”の1つで、旅客運送数で世界トップクラスの規模を誇ります。世界50カ国以上・275都市以上へ毎日約4,000便を運航しています。4月8日に発表した1〜3月期決算(第1四半期)では、1株利益、売上高ともに予想を上回りました。公表された第2四半期のガイダンスでも、売上高は10%台前半の増加を見込んでいます。ただし、イラン紛争の影響により6月までに燃料費が20億ドル超増加する見通しで、不確実性を踏まえ通期の利益予想は据え置く方針を掲げました。
また、百貨店メイシーズの株式300万株を5,500万ドルで購入したことも判明しています。1858年に創業された同社は、全米での圧倒的な「ブランド認知度」と、店舗からECまでカバーする強力な「オムニチャネル展開」、そして消費者の幅広いニーズに応える「圧倒的な商品ラインナップ」が特徴です。さらに、優良な不動産資産も保有しています。3月18日に発表した11〜1月期決算(第4四半期)では1株利益、売上高ともに予想を上回り、既存店売上高も増加しています。
アルファベットの保有比率3倍に
グーグルの親会社であるアルファベット株の保有比率は3倍超となり、保有額は166億ドル相当に膨らみました。同社はGoogle検索やYouTubeなどの広告収入が売上高の大部分を占めていますが、近年はAIやクラウド事業にも注力しています。4月29日に発表した1〜3月期決算では、売上高が前年同期比22%増の1,098億9,600万ドル(約17兆6,000億円)、純利益が81%増の625億ドルでした。人工知能(AI)需要の拡大により、法人向けのクラウド事業が63%増収となっています。同社は、2026年に人工知能(AI)開発などの設備投資額として最大1,850億ドル(約29兆円)を計画しています。同社の株価は年初来から20%以上上昇しており、「マグニフィセント・セブン(米主要テクノロジー企業7社アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、エヌビディア、テスラの総称)」の中でも際立つ上げとなっています。