はじめに

5月は日経平均株価、TOPIXともに史上最高値で終了しました。また、東証プライム市場の1日の平均売買代金が10兆円を超える可能性があるなど、市場は大きな活況を呈しています。

その売買代金を牽引しているのがキオクシア(285A)です。今回は、このような活況の5月相場において、投資家の注目を集め上昇した銘柄とその背景にあるテーマをご紹介します。


5月相場を牽引。圧倒的売買代金を記録した「キオクシア」

キオクシア(285A)は5月21日に売買代金3兆879億円と、個別株として過去最高を記録しました。月間でも75%高となり、2026年に入ってから約500%も上昇する圧倒的な強さを見せています。

5月15日に発表された26年3月期の決算では、売上高が2兆3376億円(前期比37.0%増)、営業利益が8704億円(同92.7%増)と発表しています。特に直近の1-3月期は、売上高が1兆29億円(前年同期比2.9倍)、営業利益が5968億円(同16.1倍)と急拡大したことが好感されました。

最大の要因は、生成AIブームの恩恵によるNAND型フラッシュメモリの需要増加と価格の急騰です。これにより利益が爆発的に拡大しました。NAND型フラッシュメモリの価格は当面、上昇基調および高値水準での推移が続くと見られています。

AIサーバー需要で恩恵を受ける「電子部品(MLCC)関連」

太陽誘電(6976)や村田製作所(6981)といった、コンデンサの世界大手企業の上昇も目立ちました。市場で注目されているのが、AIサーバーに使用されるMLCC(積層セラミックコンデンサ)です。

MLCCの最大の役割は、「瞬間的な大電流を供給し、急激な電圧変動やノイズを防ぐこと」にあります。AIサーバーの普及と高度化、自動車の電子化、およびIoT機器の増加により、電子回路に不可欠なMLCCの搭載数が爆発的に増えると予想されています。

太陽誘電は「中期経営計画2030」において、2030年度のMLCC需要がプラス32%成長すると予測しています。データ処理量の指数的増加に伴い、さらなる性能向上が進む一方、消費電力の急増に伴う電力ロスの増大や発熱など、さまざまな課題を解決するための設計技術が激しく変化していくと説明しています。また、小型大容量、薄型、基板内蔵など、AIサーバーの進化に対応できる技術力と開発力が求められていると説明しています。

村田製作所も2026年度の業績予想で、コンデンサ部門が前期比13%増加する見通しを示しました。データセンター向けの旺盛な部品需要により、MLCCの売上増を計画に織り込んでいる形です。

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