はじめに
空き家の対処法「4つの選択肢」
空き家の対処法は、大きく4つに分かれます。自分の状況に合わせて、早めに検討を始めることが肝心です。
①売却する
最も根本的な解決策が売却です。所有権を手放すことで、固定資産税・火災保険・維持管理費といった毎年かかるコストをゼロにでき、まとまった現金を得ることができます。
空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)が使えることがあります。相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋またはその敷地を売却した場合、一定の要件をクリアする必要はあるものの、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。
さらに、買主が取り壊しや耐震改修を行うケースでも特別控除が適用できるようになりました。これにより、売主が解体費用を負担せずとも売却しやすくなっています。
②賃貸に出す
「思い出のある実家をすぐには手放せない」という方に検討してほしいのが賃貸活用です。入居者が家を管理・使用してくれるため、管理不全空家の認定リスクを大きく下げることができます。さらに家賃収入が得られれば、固定資産税や修繕費の一部を賄うことも可能です。
ただし、賃貸化にはリフォーム費用や管理の手間、借り手がつくかが大きなネックになります。需要があれば収益資産に、なければ売却、もしくは後述するバンク活用への判断材料にもなります。
③空き家管理サービスを利用する
「当面は売らない。でも管理できない」という場合に有効なのが、専門業者への管理委託です。不動産会社や警備会社、NPOなどが提供する空き家管理サービスを活用すれば、遠方に住んでいても定期的な管理が可能です。
サービス費用の相場は月額3,000円〜1万5千円程度です。毎月空き家の外観だけを確認するプランもあれば、家屋の中に入り、換気や通水、庭の草木の手入れをしてくれるプランもあります。
注意点として、管理サービスはあくまで「現状維持」のための費用です。空き家を維持するためには、固定資産税・保険料・修繕費なども加わることを念頭に置いておきましょう。長期的に活用予定がないなら、売却・バンク活用を早めに検討する方が経済的に合理的です。
④空き家バンクに登録する
売却や賃貸の「通常市場」では買い手・借り手が見つかりにくい地方の物件に有効なのが、自治体が運営する空き家バンクの活用です。
空き家バンクとは、空き家の所有者と移住希望者・利活用希望者をつなぐ、自治体が運営するマッチングプラットフォームです。国土交通省でも各自治体の情報を横断検索できるポータルサイトを整備しています。
通常の不動産市場では価値がつきにくい古い物件でも、移住者や地域活性化を目指す人々に届く可能性があります。また、自治体によっては登録された空き家の改修費用に補助金が出るケースもあります。
ただ、空き家バンクへの登録=すぐに売れる・貸せるわけではありません。マッチングには時間がかかる場合があるため、登録しながら管理サービスも並行して活用する、という組み合わせが現実的です。
動き出すなら「親が元気なうち」
空き家問題の根本的な難しさは、「いざとなってから動こうとすると、選択肢が狭まっている」 ことです。親が施設に入居してから慌てて売却しようとしても、名義の問題や相続の手続きが絡んでくることがあります。親が元気なうちに、家をどうするかを一緒に話し合っておくことが、何より大切な「先手」になります。
「実家どうする?」という話題は切り出しにくいかもしれません。でも、帰省の折に「もし将来住む人がいなくなったら…」と柔らかく話してみることが、家族全員の安心につながります。
税金の問題だけでなく、実家の将来を早めに家族で共有しておくこと。それが40代50代が取れる最も大切な「空き家対策」かもしれません。
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