はじめに

6月12日(金)、キオクシアがトヨタを抜いて時価総額トップとなりました。生成AI需要を背景に、売買代金でも個別企業で過去最高を記録するなど、2026年に入り同社の価値と取引量は急増しています。

投資の世界にある「売買代金は嘘をつかない」という格言通り、この動きは相場の本当の勢いを示しているのでしょうか。東京証券取引所が公表しているデータから、同社の凄さと日本市場の活況を検証します。


時価総額トップへの躍進

先週末、キオクシア(285A)がトヨタ(7203)を抜いて時価総額トップとなりました。

時価総額とは「株価」に「発行済株式数」を掛けて算出され、株式市場における企業全体の価値や規模を示す指標です。企業の業績向上や将来性への期待が高まると株価が上がり、それに伴って時価総額も増加します。

キオクシアは、生成AI需要を背景とした半導体メモリーの販売単価の急上昇により、5月に発表された2026年3月期連結決算で、2027年3月期第1四半期の業績予想を公表しました。その内容は、4~6月期の売上高が前年同期比5.1倍の1兆7500億円、最終利益は同約48倍の8690億円という、素晴らしい内容でした。

売買代金もすごいことになっています。6月11日の売買代金が3兆7000億円超えとなり、個別企業で過去最高を記録しました。6月12日の売買代金も3兆1000億円(過去2番目の規模)でした。

売買代金とは、株価に出来高を掛けて算出されたものです。投資の世界には「売買代金は嘘をつかない」という格言があります。実際の取引量や資金の動きはごまかすことができず、相場の本当の勢いやトレンドの方向性を示しているという意味です。2026年に入り、キオクシアの売買代金、時価総額は急増しています。東京証券取引所が毎月公表しているデータからお伝えします。

東証データに見る急増の軌跡

キオクシアの5月の売買代金は34兆1290億円でした。5月の営業日数が18日であり、1日平均で約1兆9000億円でした。2位のソフトバンクグループ(9984)が9兆5457億円であるため、3.5倍以上の売買代金です。

同社の売買代金推移を検証しました。上場直後の2024年12月は3兆8000億円、2025年1月は4兆1000億円、2025年2月は5兆5000億円、2025年3月は6兆9000億円と、売買代金の増加はあったものの、2025年4月には売買代金上位50位(東証データ)から転落しました。2025年6月、3兆9000億円で売買代金ランキング46位になったものの、7月、8月は上位50銘柄から転落しています。

しかし、2025年9月には売買代金10位に浮上し、月間で18兆円の売買代金となりました。その後11、12月と売買代金を急増させ、ソフトバンクグループに次いで2位の売買代金でした。しかし、2026年に入り同社はダントツの1位を保持しています。

では、キオクシアはどのような企業でしょうか。同社は、メモリおよび関連製品の研究開発、製造、販売、その他サービスを行う世界で最大級のフラッシュメモリ専業プレイヤーで、1987年に世界で初めてNAND型フラッシュメモリを発明・製品化した東芝の技術を引き継ぐ企業です。

2024年12月18日に東京証券取引所のプライム市場へ上場しました。初日の初値は1440円で、終値ベースの時価総額は8630億円でした。

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