はじめに
金融機関の言いなりでファンドを買わない
以前、知人が運用しているファンドラップの中身を見せてもらったことがあります。なかなか成績が上がらないので、見て欲しいといわれたからです。
その方は「ミドルリスク・ミドルリターン」のポートフォリオを所望したらしく、合計で8本くらいのファンドに分散されていたのですが、その中身がほぼ全部、運用会社の異なる「グローバルバランス型ファンド」で固められていました。しかも、為替ヘッジありです。
この間、マーケットでは海外金利が大きく上昇するのと同時に、円安が急伸していました。本来、為替ヘッジがなければ、為替差益だけで大きなリターンが稼げた場面です。ところが、株価はそこそこ上がっても、金利上昇によって債券価格は下落し、運用益が上がりにくいところに、前述したように為替ヘッジがあるため為替差益が反映されず、ファンドラップのリターンがなかなか上がらない、という状態でした。これも分散投資の大いなる勘違い例です。
なぜ、このような分散投資になってしまうのかというと、多くは販売金融機関からいわれるがまま、ファンドを買っているからです。
販売金融機関の営業は、販売のプロであって運用のプロではありません。彼らは自分に課せられた販売目標を消化するために販売計画を立てます。そして、買ってくれそうな顧客に対して、営業をします。販売金融機関は、最も売れそうな商品を集中的に販売しますから、正しい分散の考え方は二の次になってしまうのです。結果として、販売金融機関の言う通りにファンドを買っていると、前述したように、日本株ファンドやグローバルバランスファンドを複数保有するという、不思議なポートフォリオができ上がってしまうのです。
分散したポートフォリオで運用するのであれば、まずは自分が持っている資産が何なのかを棚卸するようにしましょう。そして、長期の資産形成をするうえで足りていないと思う資産クラスだけを追加するようにし、販売金融機関がセールスしてくる商品が、現在保有している資産クラスと被る場合は、新規の購入を断ることが大切です。
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