はじめに

2026年夏の株高を支えるAI投資と金融環境

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では、足元のマーケットをこの視点で見てみましょう。

2026年7月16日現在、株式市場ではAI関連や半導体関連が引き続き相場をけん引しています。米国市場ではナスダック総合指数やS&P500が高値圏を維持しています。日本市場では、日経平均株価が6月22日に一時7万2831円73銭の取引時間中の史上最高値をつけた後、7月16日の終値は6万6835円54銭となりました。

背景には、生成AI向け投資の拡大に加え、米国で6月のCPI、PPIがともに市場予想を下回り、FRBの追加利上げ観測が後退したこと、さらにAI関連企業を中心とした好調な企業業績があります。

AI・半導体大型株への資金集中と強気に傾く投資家心理

ただし、市場の構造を見ると偏りは一段と強まっています。米国ではエヌビディアやマイクロソフト、ブロードコムなどAI関連の大型株が指数を押し上げ、日本でも東京エレクトロンやアドバンテスト、フジクラ、ディスコなど限られた銘柄が指数への寄与度を高めています。一時よりは物色の矛先は拡大しているものの、NT倍率は依然高く、半導体関連の値動きに指数が振らされる状況は継続していると言えます。これはファレルの第七のルールである「市場は広く上昇するときに最も強く、少数の大型株に絞られるときに最も弱い」を象徴する局面といえるでしょう。

投資家心理にも変化が見られます。AI関連への資金流入は依然として強く、「押し目は買い」という見方をする投資家も多いようです。さらに、SKハイニックスの米国上場やTSMCの好調な月次売上高なども半導体需要への期待を後押しし、AI関連銘柄に対する強気な見方が市場全体に広がっています。一方で、バリュエーションは高水準となり、少しでも業績やガイダンスが市場期待に届かなければ、利益確定売りが強まる局面も増えています。

強気一色のムードが広がるほど、ファレルの第六のルール「恐怖と欲望は、長期的な決意よりも強い」を意識する必要があるでしょう。

また、VIX指数は比較的低い水準で推移しており、市場には安心感が広がっています。しかし、中東情勢や米国の通商政策、長期金利の動向、AI関連銘柄への過度な資金集中など、不確実性は依然として残っています。ボラティリティが低い局面ほど市場はリスクを織り込みにくくなりますが、ファレルのルールが示すように、こうした落ち着いた相場環境の中でこそ急な値動きへの備えが重要になります。今後はAI関連だけでなく、金融、インフラ、防衛、内需、資本財などへ資金が循環するかどうかも、相場全体の持続性を見極める重要なポイントになりそうです。

では、このような環境下で、個人投資家はどのように行動すべきでしょうか。

まず重要なのは、「予測に依存しすぎないこと」です。相場の天井や底を正確に当てることは、プロであっても困難です。それよりも、「どちらに動いても対応できるポジション」を構築することが現実的です。

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