はじめに
日銀が政策金利を1%程度まで引き上げる方針を示し、金利の動向が注目されています。預金金利が上がるのは歓迎ですが、一方で気になるのが、お金を借りている人への影響です。とくに住宅ローンを変動金利で組んでいる人は、返済額が増える可能性があります。
マイホームを購入するとき、住宅ローンはほぼ欠かせません。何千万円もの住宅を現金で購入できる人は、ごくわずかでしょう。しかし住宅ローンは、家計の中で最も大きく、しかも長期間にわたって続く支出です。住宅ローンの組み方を間違えると、老後の生活にまで影響を及ぼします。
実際、三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査では、約35%の人が「住宅ローンを後悔している」と回答しています。今回は、住宅ローンと幸せな老後生活の関係について考えてみましょう。
返済比率2割と3割の差は想像以上に大きい
三井住友トラスト・資産のミライ研究所の「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2026年)」によると、「住宅ローンを後悔している」と答えた人は35.2%でした。
後悔した理由は、
・1位「借入金額を少なくすればよかった」(28.3%)
・2位「頭金をもっと多く入れればよかった」(27.2%)
が上位を占めています。
つまり、多くの人が「借りすぎた」と感じているのです。では、どのくらい借りると後悔しやすくなるのでしょうか?
世帯収入に対する住宅ローン返済額の割合(返済比率)が2割くらいの人では、「後悔している」と答えた人は38.5%でした。一方、返済比率が3割くらいになると、46.6%まで上昇します。返済比率が1割違うだけでも、家計への負担感は想像以上に大きくなることが分かります。
住宅ローンは資産形成にも影響する
同じ調査では、「住宅ローンを返済しながら資産形成ができているか」についても調べています。返済比率が約2割の人では、「資産形成と両立できている」と答えた人は40.8%でした。
一方、返済比率が約3割では28.1%まで下がります。住宅ローンの負担が重くなると、NISAやiDeCoなどに回す余裕もなくなってしまいます。返済比率の違いは、資産形成にも大きな影響を与えていることがわかります。