はじめに
「NISAでメタプラネットを買おうかな、結構話題だし」「純銀ETFってどうなのだろう、最近上がっているみたい」NISAをきっかけに投資を始めた人と話していると、こうした声を聞くことがあります。オルカンやS&P500に積み立てる一方で、成長投資枠で個別株やテーマ株を少し持ってみたい。そう感じるのは自然なことです。
ただし、2026年1〜2月のNISA買付ランキングで存在感を示したメタプラネットや純銀上場信託は、3月のランキングでは姿が見えなくなっています。「人気だから買う」という判断をすると、相場の空気が変わったときに、持ち続ける理由を見失いやすくなります。
この記事では、NISAでテーマ株や個別株を買う前に確認したい「保有理由のつくり方」を、FPの視点から解説します。
NISAでも、テーマ株の人気は短期間で入れ替わる
NISA口座で買われている銘柄を見ると、投資家の関心がどこに向いているのかが見えてきます。SBI証券が公表した2026年1〜3月のNISA買付ランキングによると、ビットコイン関連株のメタプラネットは、1〜2月に存在感を示しました。また、純銀上場信託も1〜2月にはTOP30にランクインしています。
しかし、3月のランキングを見ると、両銘柄とも姿が見当たりません。わずか1〜2か月で、テーマ性のある銘柄の買われ方が変わったことがわかります。一方で、大型株や配当株など、いわゆる王道銘柄は、3月も比較的安定して上位にとどまっています。
これはメタプラネットや純銀上場信託の良し悪しを判断する話ではありません。個別銘柄の売買をすすめるものでもありません。ここで確認したいのは、NISA口座であっても人気テーマは短期間で入れ替わることがある点です。NISAは長期投資の制度として語られることが多いですが、成長投資枠では個別株やETFも購入できます。その中には、相場の空気に強く左右される銘柄も含まれます。
NISA口座で買ったからといって、自動的に長期保有になるわけではありません。何を買うかだけでなく、なぜ買うかによって、持ち続けられるかどうかが変わります。
「話題だから買う」は、下がったときに理由を失いやすい
テーマ株を買いたくなる背景には、SNSでの盛り上がりやランキング入り、短期的な値上がりがあります。
「今からでも間に合うのではないか」「少しだけなら買ってもいいのではないか」そう感じるのは自然なことです。ただし、「上がりそうだから買う」という理由だけでは、上がらなくなった瞬間に保有理由が弱くなります。買うときは勢いで判断できても、下がったときや横ばいが続いたときに、なぜ持ち続けるのかを説明できなくなるのです。
つまり、「買う理由」と「持ち続ける理由」は、同じではないということです。買う理由が「価格が上がっているから」だけだった場合、下落した瞬間にそのまま「売る理由」に変わってしまう恐れがあるのです。
テーマ株が悪いのではなく、保有理由がないことが問題
ここまでの話を読むと、テーマ株への投資を否定しているように感じるかもしれません。しかし、そうではありません。成長テーマに投資すること自体は、投資の選択肢のひとつです。問題は、そのテーマを自分がどこまで理解しているかです。
たとえば、ビットコイン関連株を買うなら、ビットコイン価格との関係や、会社の事業内容、株価変動の大きさを理解しているかどうかが問われます。純銀上場信託を買うなら、株式とは違う値動きや、金との役割の違いを理解しておく必要があります。
「テーマを知っている」ことと、「銘柄を理解している」ことは違います。SNSでよく見るテーマだからといって、自分がその銘柄を長く持てる理由を持っているとは限りません。見るべきなのは、商品名ではなく、保有理由の有無なのです。