はじめに

好感された理由①:通期予想の大幅上方修正

会社が最も強調したのは、5月に公表したばかりの通期予想を早くも引き上げたことです。売上高は1,870億円から2,053億円へ(9.8%増)、営業利益は190億円から225億円へ(18.4%増)と修正されました。理由として会社側は、アミューズメント事業で第2四半期納品予定の商品がすでに完売、第3四半期の主力機種も受注が好調であることを挙げ、「単一商品の一過性の好調ではなく、販売網や自社開発力による構造的な収益力向上」だと説明しています。コンテンツ&デジタル事業についても、国内のMD(自社物販)・ライセンス事業の好調に加え、中国市場が回復基調にあることを上方修正の根拠としています。

好感された理由②:中期経営計画も上方修正

同時に、2026年5月に発表したばかりの3カ年中期経営計画(〜2029年3月期)の数値目標も上方修正されました。最終年度の売上高目標は2,020億円から2,303億円へ、営業利益目標は250億円から285億円へ引き上げられています。策定から2カ月というごく短期間での上方修正は、それだけ足元の事業環境が想定を上回っていることの裏付けとして受け止められた面がありそうです。

好感された理由③:ウルトラマン60周年記念の特別配当

決算と同時に、創業以来最大となる特別配当(ウルトラマン60周年記念特別配当、1株70円)の実施も発表されました。従来70円だった年間配当予想は、これにより140円へ倍増。配当性向は約58%相当です。会社側は決算説明会で、この水準を来期以降も中間配当として継続する方針を示しており、業績次第ではさらなる増額の可能性も考えられます。増収増益の裏付けなしの配当だけなら一時的な材料で終わりやすいですが、通期予想・中期経営計画の両方を同時に引き上げた上での増配だったことが、買いを厚くした要因と考えられます。

投資家として注目したいポイント

上方修正の中身を見ると、成長の柱はアミューズメント事業の特定の人気タイトルへの依存度がまだ高い構造です。東京喰種シリーズなど既存タイトルの好調が続く前提で第2〜3四半期の見通しが組まれているため、次の主力機種の投入状況や受注動向は継続してチェックしたいところです。また中国市場の回復基調も、トイ&ホビーカテゴリーの新商品次第という側面があります。

配当については、2019年3月期に5円だった1株配当が、毎年のように増配を重ねて2026年3月期には70円まで積み上がった経緯があり、今回の特別配当はその延長線上にある会社の姿勢の表れとも読めます。ただし特別配当という名称の通り一過性の要素を含むため、来期以降も140円水準を維持できるかどうかは、次の決算での会社側の説明を確認したいところです。

株価はすでに6月の安値から倍近くまで買われていますが、それでもPERは10倍程度、配当利回りは5%台後半とまだ極端な過熱感はありません。とはいえ、急騰後の利益確定売りによる急落も十分あり得ます。通期予想の上方修正分がその通り進捗するかどうかを次の四半期決算で確認してから判断する、という手堅い作戦でもよいかと思っています。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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