はじめに

なぜ子どもだけでなくおじさん層にも刺さるのか

もう一つ深掘りしたいのが、この作品がなぜここまで幅広い世代に広がったかです。ちいかわの世界は、一見かわいいキャラクターたちが草むしりや討伐といった労働で報酬を得て生きる日常を描いていますが、そこには理不尽さや格差も同居しています。

検定試験に一人だけ落ちてしまう話や、友人同士でも住んでいる家の格差が描かれるなど、大人になってから経験する頑張っても報われないことへの共感を呼ぶ内容です。こうした人間味のある不条理さが、大人にも刺さるのかもしれません。さらに、原作が1ページ完結のX(旧Twitter)漫画という拡散力の高いフォーマットで生まれたことや、企業とのコラボが数百件単位で展開されていることも、幅広い層への浸透を後押ししたと考えられます。

投資家として注目したいポイント

東宝については、次の四半期決算で映画ちいかわの興行収入がどこまで会社計画の上振れに寄与したかを確認したいところです。反動減や値上げ効果を織り込んでいない保守的な計画だっただけに、上振れが数字で見えてくれば増額修正の材料になり得ます。

粧美堂は8月12日の決算で通期計画は据え置かれており、市場が期待する4Q上方修正が実際に来るかどうか、そしてその理由としてちいかわが挙げられるかどうかは、次回の本決算まで確定しません。いずれもブームの持続期間には限りがあるため、グッズ消費や動員数の勢いが夏休み明け以降も続くかどうかは、注視しておきたいところです。

まずは、わたし自身がこのブームの熱を確認するため、映画「ちいかわ」を観に行きます!

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