はじめに

週20時間以上で働く場合、手取りはどう変わるか

次に10月以降に週20時間以上働いた場合を考えてみます。20時間以上働き社会保険に加入することになると、配偶者の扶養から外れることになります。扶養から外れることで、確かに手取りが一時的に減少する可能性はあるものの、社会保険へ加入することで、以下のようなメリットがあることも押さえておきましょう。


将来の年金が上乗せされる
傷病手当金等の保障が受けられる


こうしたメリットがあるとはいえ、手取りが減少することに対して抵抗を感じる方も多いと思います。そこで、働く時間別に手取りがどのように変化するか確認してみます。具体的には、以下の方を想定して検討してみます。

・東京23区在住
・45歳
・従業員が51人以上の企業一社でパートとして働く
・時給1,226円

1週間あたりの労働時間を3通りでシミュレーションした結果(概算)が以下となります。

1週間あたりの労働時間の増加に伴い、年収は増加するものの、社会保険への加入有無が切り替わることで、19時間から20時間に労働時間を増やすと、手取り額が年間で約12.5万円減少します。一方、1週間あたりの労働時間が23時間になると、手取り額が週19時間労働の時よりも増えることがわかります。

このように、扶養から外れて働く場合は、「社会保険に加入するかどうか」だけではなく、「加入後にどの程度働けば手取りが増加に転じるか」という視点も重要です。必要以上に労働時間を抑えるのではなく、ご自身の勤務条件やライフプランを踏まえ、最適な働き方を検討するとよいでしょう。

状況に応じた最適な働き方を選択することが重要

106万円の壁が撤廃される影響を確かめるためには、以下の手順で確認・検討を進めるのがおすすめです。


1. 勤務先が従業員51人以上の企業かどうか
50人以下であれば、今回の改正の直接の対象とはなりませんが、今後の企業規模要件の変更や労使の合意による例外も確認する必要があります。

2. 週20時間を基準とした労働時間
・引き続き扶養内で働きたい場合は労働時間を週20時間未満に維持する必要がありますが、130万円の壁や残業による労働時間の延長には注意が必要です。
・収入を増やす方向で考える方は、週20時間を超えたところで一時的に手取りが減少することを踏まえ、どこまで働けばよいのかを見極める必要があります。


今回は労働時間を増やすという切り口で働き方を考えてみましたが、収入を増やす方法はこれだけではありません。時給の高い職場に転職する、あるいは資格取得やスキルアップにより時給を上げるといった選択肢もありえるでしょう。

働き方に絶対的な正解はありません。家計の状況やご自身の将来設計によって答えは様々なはずです。今回の106万円の壁撤廃を機に、ご自身に合った働き方をご家族と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

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