はじめに

日本の高齢者は「人付き合い」が少ない?

ここまで見てきて気になるのは、生活に満足している人の割合が、アメリカやスウェーデンでは9割を超えているのに対し、日本では約8割にとどまっていることです。

もちろん、生活満足度の違いにはさまざまな要因があるため、単純に理由を決めつけることはできません。しかし、注目したいのが「人付き合い」に関するデータです。

日常のちょっとした困りごとが一人ではできなくなったとき、同居の家族以外に頼れる人がいるかを聞いたところ、いずれの国でも最も多かったのが「別居の家族・親族」でした。その割合は、日本62.1%、アメリカ40.6%、ドイツ73.9%、スウェーデン59.8%です。

一方、「友人」と回答した割合を見ると、ドイツ61.0%、アメリカ31.1%、スウェーデン26.2%、日本13.7%でした。また、「近所の人」と回答した割合は、ドイツ52.0%、スウェーデン26.0%、アメリカ25.3%、日本12.9%となっています。

ここで注目したいのが、日本では「別居の家族・親族」を頼れる人は多いものの、「友人」や「近所の人」を頼れると答えた割合は、4カ国の中で最も低くなっています。

さらに別の質問で、普段の近所付き合いについて尋ねたところ、「近所の人と付き合いがない」と回答した割合は、日本17.4%、アメリカ8.4%、スウェーデン8.2%、ドイツ5.6%でした。

老後の幸せを支える「人とのつながり」

高齢になると孤独になりやすく、孤独になると幸福度が落ちるという研究もあります。白書の分析結果の中にはありませんでしたが、おそらく生活の満足度が少し低い理由にも、「人付き合い」が関係しているのではないかと思います。

日本では「別居の家族・親族」を頼る人は多いものの、他国に比べて「友人」や「近所の人」に頼れる人がかなり少ないという結果でした。仕事を引退すると、会社で築いた人間関係が一気になくなってしまう人も少なくありません。

日本では「老後不安」が語られると、お金や年金の話ばかりになりがちですが、本当に考えるべきなのは、退職後にどんな仲間と付き合い、どんな時間を過ごすのかということではないでしょうか。人とのつながり、生きがい、地域との関わり――そうしたものも、老後の満足度を大きく左右する大切な資産なのです。 老後資金は失敗できない!あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward HOME]

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