はじめに

退職後、収入を完全にゼロにしてよいのか?

早期退職で収入がゼロになると資産の減りが早まり、65歳以降に残せるお金も少なくなります。「今の会社で働き続けるか、まったく働かないか」の二択ではありません。転職や短時間勤務も選択肢に入れ、少しでも収入を得ることを考えてみてはいかがでしょうか。

前述の試算では、月10万円でも10年間働けば、額面収入は合計1,200万円になりました。以前と同じ年収にこだわらず、毎月の生活費の一部を賄うという考え方が大切です。もちろん、希望する仕事や収入が必ず得られるとは限りません。退職前に求人や勤務条件を調べ、実現できそうか確認しておきましょう。

年金の見込額にも注意が必要です。50歳以上60歳未満の「ねんきん定期便」は、現在加入している年金制度に、同じ条件で60歳まで加入し続ける前提で計算されています。早期退職後を反映した金額とは限らないため、「ねんきんネット」の「詳細な条件で試算」を行い、今後の職業や収入、働く期間を設定して確認してみてください。

退職後の暮らしを具体化すると、選択肢が見えてくる

「もう仕事を辞めたい」と感じたら、年金受給までの支出、見込まれる収入、資産から補う金額を整理しましょう。そのうえで、65歳以降の収支も試算し、準備した老後資金が何歳まで持つかを確認します。難しい場合は、ファイナンシャル・プランナーにキャッシュフロー表を作ってもらうのも一案です。

数字を確認するのは、早期退職を諦めるためではありません。実現したい暮らしに必要なお金を把握し、自分に合った退職時期やその後の働き方を考えるためです。早期退職後にどのような暮らしをしたいのかを整理し、希望と家計の両方を見ながら、無理のない計画を立てていきましょう。

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