はじめに

先日、思いがけず手術給付金を受け取れた実例がありました。病院で「入院して手術が必要です」といった説明を受ければ、「そういえば医療保険に入っていたな。もしかしたら給付金がでるかも」と考えますが、外来で治療を受け、特に「手術」という言葉を医師から告げられなかったら、医療保険のことは頭をよぎらないかもしれません。給付金の請求を見逃さないためのチェックポイントを、実例を踏まえてお伝えします。


「手術」の欄に点数が入っている?

先日、数日間にわたって目の中にゴミが入ったような、ゴロゴロとした違和感が続き、市販の目薬をさして様子を見ていました。しかし、何日経っても一向に良くならず、さすがに気になって眼科を受診することにしました。

診察を受けると、先生から言われたのは、「結膜結石ですね」という聞き慣れない言葉でした。

結膜結石とは、まぶたの裏側などに白や黄色っぽい小さなかたまりができるものです。私の場合は、その結石が表面に出てきて目に当たり、違和感の原因になっていたようです。

先生がその場で結石を取り除いてくださると、驚くほどすぐに違和感がなくなりました。「こんなことなら、もっと早く眼科に来ればよかった」そう思いながら帰宅しました。

ところが、この話にはもう一つ続きがあります。

何気なく眼科でもらった診療費の領収証を見ると、「手術」の欄に点数が入っていることに気づきました。私自身は、診察室でちょっと結石を取ってもらったという感覚だったので、「手術を受けた」という認識はまったくありませんでした。

けれども、健康保険上は「結膜結石除去術」という手術として扱われていました。そこで思い出したのが、自分が加入している医療保険です。私の医療保険には、健康保険適用の手術を受けた場合に手術給付金が支払われる保障が付いています。

「もしかしたら、これも対象になるのでは?」そう思い、ダメもとで請求してみました。すると、外来手術としてきちんと手術給付金が支払われたのです。

保険を扱う仕事をしている私自身も、「これは見逃している人が結構いるのでは?」と思った出来事でした。

本人が「手術」と思っていない手術もある

「手術」と聞くと、多くの方は、手術室に入り、麻酔を受け、メスを使って治療をするような大がかりなものを想像するのではないでしょうか。

しかし、医療保険の給付対象となる手術は、それだけとは限りません。今回のように外来の診察室などで短時間に行われ、本人にとっては「ちょっとした処置」と感じるような治療でも、健康保険上は「手術」として算定されていることがあります。

ここで役に立つのが、病院や診療所でもらう領収証と診療明細書です。

領収証には、初・再診料、医学管理料、投薬、注射、検査、画像診断、処置、入院、手術など、項目ごとに点数や金額が記載されています。普段は支払った金額だけを確認して、そのまましまい込んだり、捨てたりしてしまう方も多いと思います。

でも、医療保険に加入している方には、ぜひ「手術」の欄も確認していただきたいと思います。そこに点数が入っていたら、「この程度の治療では保険は出ないだろう」と自己判断せず、加入している保険会社や代理店に確認してみてください。給付対象になっている可能性があります。

ただし、健康保険で「手術」として扱われたからといって、すべての医療保険から必ず手術給付金が支払われるわけではありません。

医療保険は、加入した時期や商品によって手術給付金の支払条件が異なります。公的医療保険制度の対象となる手術に連動している商品もあれば、保険会社が定めた所定の手術のみを対象としている契約もあります。

また、対象外となる手術が定められている場合もあります。たとえば、皮膚を切開しておできの膿を取り除く治療を受けた場合、どんなに痛い思いをしたとしても、契約上「皮膚切開」が対象外と定められていれば、手術給付金は支払われません。

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