はじめに

「将来介護が必要になったらどうしよう」と考えたことがある方は多いと思います。長生きすることが珍しくなくなった今、老後の心配というと、生活費や医療費と並んで「介護」が挙げられるようになりました。

一方で、介護は心配だけれど、まだまだ先のこと。公的介護保険だけでは心配だけれど、民間の介護保険に何十年も保険料を払って、結局使わなかったらもったいない。皆さん同じような気持ちではないでしょうか。

誰しも介護状態にはなりたくありません。しかし、病気と同じで、介護がいつ始まるかはわかりません。そして病気と違い、状態の改善が難しく、いつまで続くかわからないのが介護リスクの特徴です。

民間の介護保険の考え方について、詳しく説明します。


公的介護保険だげでは足りない?

日本には公的介護保険制度があります。要介護・要支援の認定を受ければ、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、さまざまな介護サービスを原則1~3割の自己負担で利用できます。

これは大変ありがたい制度です。ただし、公的介護保険は基本的に「介護サービスを利用するための制度」です。要介護になったら毎月まとまった現金が振り込まれて、何にでも自由に使えるという制度ではありません。

実際に介護が始まれば、公的介護保険の対象にならない費用も発生します。自宅を介護しやすい環境に整える、施設への入居を考える、紙おむつなどの日用品を購入するといったことが考えられます。家族が介護のために仕事を減らさざるを得えず、収入が減ることも考えられます。また、遠方から家族の元へ通うとなると交通費の負担も見逃せません。

そして何より難しいのが、介護状態が何年間続くかわからないことです。1年かもしれませんし、5年、10年と続くかもしれません。そのため、民間の介護保険を考えるときには、「介護になったらいくらもらえるか」だけではなく、「いつまでもらえるのか」も大切なポイントになります。

介護年金には「有期」と「終身」がある

民間の介護保険には、所定の介護状態になった場合に一時金を受け取るタイプのほか、毎年一定額を「介護年金」として受け取れるタイプがあります。介護年金にもいくつか種類があります。

たとえば5年間、10年間など、あらかじめ決められた期間にわたって年金を受け取る「有期年金」。そして、所定の介護状態が続く限り、一生涯にわたって年金を受け取ることができる「終身年金」です。

どちらがよいかは、その方の資産状況や家族構成などによって異なります。ただ、私自身は、介護への備えとして考えるのであれば、できれば終身年金タイプを検討していただきたいと思っています。

なぜなら、介護は「10年経ったら終わります」と期間を決めることができないからです。介護が長期化したときに一番心配なのは、「貯蓄があといくら残っているだろう」と不安を抱えながら生活することではないでしょうか。

5年間、10年間という有期年金にも、保険料を抑えられるなどのメリットがあります。しかし、その期間を超えて介護が続いた場合、その後は自分の資産から費用を負担していかなければなりません。

一方、終身年金であれば、所定の介護状態が続く限り年金を受け取ることができます。100歳まで長生きして介護が続いたとしても、毎年一定額が入ってくる。この「いつまで続いても大丈夫」という安心感こそ、終身介護年金の大きなメリットだと思います。

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