はじめに
「配当払出型」と「資産成長型」の使い分け
オルカン高配当には、目的別に2つのコースが用意されています。どちらを選ぶかで出口戦略が変わってきます。
定期的な現金収入が欲しいなら「配当払出型」
年4回に決算を行い、得られた配当収入から経費を差し引いた額を原則全額分配します。投資成果の一部を定期的なキャッシュフローとして受け取りたい人に適しています。
ここで注意したいのが、分配金の考え方です。「分配金を受け取りながら、基準価額も成長するならお得」と考えたくなりますが、分配金はファンドの資産から支払われます。そのため、分配を行えば、その分は基準価額を押し下げる要因となります。大切なのは、「分配金を何%もらえるか」だけではなく、値上がり益と分配金を合わせたトータルリターンで考えることです。
いまは使わず効率よく育てたいなら「資産成長型」
決算は年1回で、分配金を出さずにファンド内で自動的に再投資して運用に回します。高配当株のポートフォリオ(成熟・安定企業)に魅力を感じるが、今はまだ現金として受け取らず複利効果を高めたい場合の選択肢となります。
「オルカン高配当」はどんな人におすすめ?
ここまでの特徴を踏まえて、オルカン高配当が「向いている人」「向いていない人」をクリアに整理しましょう。
まず、オルカン高配当が向いているのは、リタイア前後で資産を取り崩すフェーズに入った人です。これまで蓄えてきた資産を生かして定期的にお金を受け取り、生活のゆとりや旅行などの楽しみに充てたい人には、「配当払出型」が適しています。自分で売却しながら取り崩すことに抵抗がある人にとって、自動で分配金としてお金が振り込まれる仕組みは「資産を使う」心理的ハードルも下げられます。
また、ハイテク株の激しい値動きに疲れてしまい、財務が安定した実績企業を中心に穏やかな運用を行いたい人、つまり値動きを抑えながらキャッシュフローを得たい人にも向いています。
一方で、20代~40代など、まだ長い運用期間があり、「今は資産から収入を得るより、とにかく将来に向けて資産を増やしたい」という人なら、世界の株式に幅広く分散でき、低コストで運用できる通常のオルカンは引き続き有力な選択肢です。
配当金を受け取ると複利効果が薄れるため、積立中のメイン口座をオルカン高配当へ丸ごと乗り換える必要はありません。運用コストの最安値にこだわりたい人も、信託報酬の低さを最優先するなら、本家オルカンのほうが合っています。
自分の「目的」に合わせて賢く使い分けよう
投資で大切なのは、商品の名前や配当利回りだけを見るのではなく、自分が何のためにそのお金を運用するのかを考えることです。
教育費に使いたい、老後の生活を豊かにしたい、旅行や趣味に使いたい――。最終的には、自分が叶えたい人生のためにお金を使うことが目的です。
オルカン高配当の登場は、「資産を育てる」という視点に加えて、「育てた資産をどう使うか」を考えるきっかけにもなりそうです。
通常のオルカンか、オルカン高配当か。「今の自分は資産を育てる時期なのか、それとも資産から収入を得たい時期なのか」。まずは自分のライフプランやお金の目的から考えてみてはいかがでしょうか。
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