はじめに
株式市場を賑わせる話題は、毎年変化します。2026年にはスペースXの上場が大きな話題となり、2025年から2026年初めにかけては金(ゴールド)にも高い関心が集まりました。魅力的な投資対象が現れ、ニュースやSNSで盛り上がると、「投資しなければ恩恵を受けられないのでは」と焦りを感じる方もいるのではないでしょうか。
このような投資家心理を「FOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐怖)」と呼びます。「周りの人が利益を得ているのに、自分だけが取り残されて損をしているのではないか」と不安に駆られ、高値圏で飛びついてしまう心理状態のことです。
注意したいのは、話題の資産だからといって必ず大きなリターンが得られるわけではないということです。
IPO銘柄への投資のリターンは実は過半数がマイナス
例えば、今年話題を集めたスペースXをはじめ、株式市場に新規上場(IPO)する企業は魅力的な成長ストーリーを持っています。では実際に、IPO銘柄は常に期待通りのリターンをもたらしてくれるのでしょうか。
過去46年間に米国で新規上場した約9,000社(銘柄)を対象に、上場から5年間のリターンを分析した研究(※)があります。
※ Jay R. Ritter「Initial Public Offerings: Updated Long-run Statistics」(2026年4月7日時点)。本記事では同論文のうち、1975年から2021年の間に米国で実施された9,195件の事業会社(Operating company)の新規株式上場(IPO)データを対象とした分析を紹介。リターンは、上場前の公募価格(発行価格)を購入価格として、原則として5年間保有し続けたと仮定して算出。
この研究によると、全体の57%は5年間のリターンがマイナス。10倍を超える大きなリターンをもたらした銘柄は、全体の1.4%に過ぎませんでした。魅力的な成長ストーリーを持つ新規上場企業であっても、満足なリターンを得られなかったケースがあることがわかります。
米国における新規上場企業9,195社の株式に投資した場合の上場後5年間のリターン(1975年~2021年)

(出典)Jay R. Ritter「Initial Public Offerings: Updated Long-run Statistics」(2026年4月7日時点)をもとにウェルスナビ作成。端数処理の関係上、内訳の合計が外側の数値と一致しない場合があります。