はじめに
投資家はどう受け止めたか
背景には、決算会見で社長が値上げの検討を表明してから、実際にいつ、どの幅で行うのかという不透明感が続いていたことがあります。値上げが確定し、しかも市場の期待を上回る幅だったとの見方が出ました。決算前の株価は7月29日の高値8,420円から約2割下げていたため、期待が一度はがれた分、反発しやすかったとみられます。
また、帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査によると、10月から値上げされた飲食料品は3,153品目あります。これだけ値上げされる中、サイゼリヤのミラノ風ドリアの20円の値上げを誰が責めることができるでしょう。誰も同社の努力不足とは思いません。むしろ安心した人のほうが多いのではないでしょうか?
なお、投資単位は70万円を超えます。会社は同日、東証の規程に基づく開示で、投資単位の引き下げは投資家層の拡大と流動性向上に有効な施策のひとつと認識していると説明しましたが、実施や時期は未定で、検討段階です。株式分割が発表されれば、一段と個人投資家には手が届きやすくなります。
ほかの外食企業への影響
サイゼリヤは、値上げをしない外食の代表格でした。その会社が値上げを決めたことは、業界にとって、値上げは受け入れられる時代になったという象徴になりそうです。
もっとも、競合はすでに動いています。マクドナルドは2月に約6割の商品を10~50円値上げし、ビッグマックは単品480円から500円になりました。2月値上げ後も、既存店売上高は9月まで連続で前年比でプラスを維持しており、値上げによるダメージは受けていないことがわかります。これは、サイゼリヤにとっても心強い数字でしょう。ただし、お客さんの反応は実際に価格が変わってから分かります。
最大の焦点は、10月29日以降の客数が値上げ後も前年並みの勢いを保てるかです。もう一つは、下期に偏る営業利益212億円の達成確度です。前期の未達を踏まえ、まずは上期決算(2027年4月)での進捗を確認したいところです。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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