はじめに

4. どちらを選ぶ?「債券ETF・投資信託」と「個別の米国債」の使い分け

資金の性質や運用目的に応じて、どちらの選択肢が適しているかを整理してみましょう。

・債券ETF・投資信託が適しているケース
使い道や時期を限定せず、長期で運用したい:少額からコツコツ積立ができ、株式など他の資産とのバランス調整(リバランス)がしやすい。
NISA枠を活用して非課税メリットを享受したい:非課税で効率よく運用を進めたい場合に適している。

・個別の米国債が適しているケース
「3年後」「5年後」など使う時期が決まっている:満期まで保有することで、途中の金利変動による価格下落の影響を受けずに、ドル建ての出口を合わせやすい。
購入時点でドルベースの利回りを確定させたい:満期まで保有した際の見通しを事前に把握しておきたい場合に適している。

5. 個別の米国債(既発債)を検索する際の3ステップ

もし個別の米国債を検討する場合、日本の主要ネット証券では、すでに市場に出回っている中古の米国債である「既発債(きはつさい)」が多く取引されています。

気になるのは、「金利が低かった時代に発行された既発債を買うと、損をするのでは?」という点かもしれません。ここで関係してくるのが、先ほど解説した「金利が上がると債券価格が下がる(シーソーの関係)」です。

いまの金利が高いと、受け取れる利息が少ない過去の債券は人気がなくなり価格が下がります。満期には額面の金額が全額戻ってくるため、「安く買えた分の差額」が利息に上乗せされます。その結果、満期までの残り期間が同じであれば、どの既発債を選んでも満期まで持ったときの利回りはいまの金利とほぼ同じ水準になります。

中古ではなく新品を希望されるなら「新発債」を選ぶことになりますが、募集されるタイミングが限られていたり、希望する満期年数のものがいつも売られていたりするとは限りません。そのため、ラインナップが豊富な「既発債」も対象に入れると、選択の幅が広がります。

既発債の一般的な検索手順は以下の3ステップです。


ステップ1:お金を使う「時期(年数)」を確認する
まずは「教育費として5年後に使う」「3年後の車買い替え資金」など、ゴールとなる年数を整理します。

ステップ2:証券会社画面で償還日を絞り込む
「外国債券」の取引画面にて、条件検索で自分の使いたい時期(西暦年など)に合わせた償還日を設定します。

ステップ3:「参考最終利回り(ドル建て)」を確認する
満期まで保有した場合の実質的な年間利回り(ドル建て)を確認し、期間や条件が目的に合っているかを判断します。


6. 目的なしの「手軽さ」ではなく、資金の「出口」に合わせた商品選びを

NISAの普及に伴い「非課税で買えるか」「手軽か」という点が重視されがちですが、大切なのは「そのお金をいつ、何のために使うのか」という目的と、投資商品の特徴がマッチしていることです。

使う時期が決まっている資金であれば、満期のない債券ファンドの価格変動リスクに留意が必要です。一方、個別の米国債を活用すればドルベースでの見通しは立てやすくなります。ただし、最後に円に戻すときの為替リスク(出口リスク)だけは、共通して残ることは確認しておきましょう。

それぞれのメリット・注意点を理解した上で、ご自身のライフプランに合った管理方法を検討してみてください。

※本記事は投資助言や個別の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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