はじめに

買った後にもかかる「コスト」がある

もう一つ考えてみたいのが、商品を買った後にかかるコストです。洋服なら、買った時点で支払いは終わっても、それで終わりではありません。クローゼットへの収納、洗濯やアイロン、クリーニングなどのお手入れ、季節が変わる際には衣替えが必要です。家具や雑貨も、置くスペースが必要ですし、家電なら、電気代やメンテナンス費用がかかることもあります。つまり、商品の価格だけではなく、「持ち続けるためのコスト」もかかるのです。

もちろん、最初から細かく計算する必要はありませんが、「これを買ったら、家のどこに置く?」「今持っているものと入れ替える?」「この先も使い続ける?」と少し考えるだけでも、買い物の見え方は変わってくるはずです。

「買うことで失うもの」も考えてみる

少し角度が異なりますが、もう一つ意識したいのが、機会費用です。簡単にいうと「そのお金を別のことに使う機会を失うこと」です。

5,000円の商品を買えば、その5,000円は別のことには使えません。本来なら、その5,000円で外食ができたかもしれませんし、本を何冊か買えたかもしれません。将来のために貯めておくことや、投資にまわす選択肢もあったでしょう。そういった機会を失うことが、同時に発生しているのです。

もちろん、何に使えば正解なのかは、人それぞれです。だからこそ、「この5,000円を、この商品に使うのが自分にとって一番いいのかな?」と考えてみることが大切です。そう自問することで、自分にとって納得できる使い方かどうか、といった視点を持てるようになります。

「割引率」ではなく「自分にとっての価値」を見る

割引商品を見ると、私たちはつい「何%安くなっているか」「その結果、いくらお得か」という金額に目が向きがちです。でも、本当に大切なのは、割引額ではなく、「その商品に、その金額を払いたいかどうか」です。

「安くなっているから、買おうかどうか迷う」のなら、「100%OFF、つまり買わない」という選択肢も並べてみましょう。そして、置いておく場所や維持のコスト、そのお金を別のことに使う機会まで考えてみるのです。

「自分にとって価値のあるところにお金を使うこと」を考えるようになると、買い物の基準は少しずつ変わっていきます。

そんな買い物ができれば、お金もモノも、そして何より“自分自身”も、より大切にできるのではないでしょうか。

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