はじめに

給与明細は「口座に振り込まれる金額だけを見たら、あとは興味がないから捨てている」という人が意外と多いという現実……。でも給与明細には現状がわかる大切な情報がぎっしりと詰まっています。

大切な内容がわからなければ、残業して働いたのにその分の手当がもらえていない場合や、確認しておかなかったばっかりに、本来もらえるはずの年金額が減ってしまう可能性だってあるのです。

改めて給与明細に書かれている言葉の意味を説明し、皆さんが自分で正しい見方ができるように詳しく解説します。ぜひ自身の明細を見ながら、ひとつひとつ確認してみてくださいね。


筆者作成 下の図にある数字、アルファベットは、各見出しの頭にあるものと一致しています。

給与明細は3つのブロックに分けられる

会社は、税金や社会保険料を天引きしている場合、計算書を作成して従業員に渡さないといけないことになっています。そのため、「給与明細」として給与の支払ごとに渡すのですが、法律で書式が決められているわけではないので、会社によってデザインが違っているのです。

ただ、おおまかな内容はどこの会社も同じで、「勤怠」「支給」「控除」 という大きく3つのブロックに分かれています。「勤怠」は、実際の働いた実績、「支給」はもらえる給料の明細、「控除」は給料から引かれるものの明細です。支給合計から控除合計を引いたものが、「差引支給額」として口座に入金される金額です。

1:「勤怠ブロック」は1ヵ月間の労働の実績表

勤怠ブロックは、給料の支払い対象となる月に働いた実績が書かれています。読者のみなさんは、給与の対象となっている計算期間と支払日は把握していますか?

例えば、次のような場合があります。

・毎月1日から月末の労働分を翌月20日に支払う
・前月16日から翌月15日までの労働分を、当月25日に支払う
・毎月1日から月末までの固定給(毎月同じ金額のもの)と、前月1日から前月末までの変動給(月によって金額が変わるもの)を、まとめて当月25日に支払う

計算期間と支給日を把握しておかなければ、給与の金額があっているかの確認や、何月分の社会保険料を払っているのかなどがわからなくなります。

特に確認が必要なのは、「残業時間(時間外労働)」と「休日勤務時間(休日労働)」です。残業時間は、決められた勤務時間以上に働いた時間の合計、休日勤務時間はお休みなのに働いた時間です。自分の申請や記録と違うなら、原因を知るために上司や給与計算担当に相談しましょう。

2:「支給ブロック」は1ヵ月の給料の内訳

支給ブロックには、支給される給料の項目とその金額が書かれています。「固定給」と「変更給」に分かれていますが、例えば、固定給には「基本給」「役付手当」「資格手当」「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」などがあります。

一方、変動給は「残業手当(時間外手当)」「休日出勤手当(休日手当)」などです。働いた実績分がちゃんと手当として付いているか確認しましょう。

その他、従業員が立て替え払いしたものの返金として「出張旅費」などがあります。

支給ブロックで知っておきたいことは、税金の計算と社会保険料の計算では、計算の対象が変わることです。所得税・住民税の計算は、通勤手当と立替返済以外が対象となります。先ほどの給与明細例でいうと、総支給額の38万5,302円から通勤手当の4,500円を引いた、38万802円です。

一方社会保険料の計算は、立替返済は対象にはなりませんが、通勤手当は対象となるため、38万5,302円になります。