はじめに

夫が同席したマネー相談

お金のプロの話なら夫も聞くと思うとA子さん。自宅に帰ってファイナンシャルプランナーに「お金の運用」を聞きに行こうと話をしたそうです。家計管理には興味を示さない夫も「株の投資」をはじめたいと言っていたので同席にOKしてくれたと連絡がありました。

相談にいらっしゃった夫は堅実そうな印象。「株の投資」にご興味があるかお聞きすると「お金の運用をしたことがないので初歩的なことから知りたい」とのことでした。お金の投資をはじめるに、いくらまで投資にまわしていいか、家計の収支、貯蓄額を知りたいと伝えるとスムーズに教えてくださいました。

食費は奥様にお渡ししないのか聞くと、結婚式や転居にかかったお金の支払いもひと段落したので、そろそろ食費がいくら必要か話そうと思っていたそうです。

今まで夫婦間で話を避けていたのは、A子さんに食費を渡したくないわけではなく、お金の使い方を規制されるのが不安だったようです。これまで飲み代や趣味に好きなように使ってきただけに、結婚して「お小遣い〇万円ね」などと決められるのではと抵抗感があったよう。

このように、男性側に話を聞くと、独身の時は誰にも気兼ねせずに自由にお金を使っていたのにお給料を伝えると、お金を使い過ぎじゃない?と管理されるのではと思いがちです。

女性はマイホーム購入や子供ができたら学費など将来のお金を考えて貯蓄することが多いですが、唐突にお金の話をするため話し合えない雰囲気になってしまうことも。

ライフプランを話し合うことで、お金の話につなげやすくなる

夫婦間でお金の話をするには、最初のステップとしてライフプランを作成することがポイント。何年後に自動車、マイホームの購入、2年に1度は海外旅行をするなど、夫婦の夢を語るのは男性も女性も抵抗がありません。

そして、ライフプランを叶えるためには、何年後に○○万円貯金と二人で目標を立てると、前向きにお金の話がしやすくなります。お金の話をしたがらない男性でも、何のためにいくら貯める必要があるかを明確にする大切な話し合いだと理解できるようです。

お金の話は結婚前にきちんと二人で話し合えるのが理想ですが、共働き夫婦だと、それぞれの収入があるため共有しないケースは少なくありません。ですが相談の経験上、お互いにお金の話を共有できる方が、同じ年収でも貯蓄額は多いと感じています。

また、お金に対する価値観をすり合わせしておくことで、将来を考えた使い方を意識するようになります。

つまり、お金の価値観が違いすぎて揉めたり、お金が原因での離婚を回避しやすくなります。どちらかが散財するタイプであれば、結婚後は夫婦のために「貯めるべきお金」、「使ってもいいお金」と考え方をシフトして結婚生活に臨む覚悟もできます。

A子さんのように結婚後、お金の話をしづらいと感じる女性は少なくありません。全てを公開するか、しないかはご夫婦それぞれですが、将来に向けて「貯めたいお金」だけはご夫婦で共有しておくことが大切です。

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