はじめに

かつて多くの企業が本社を置き、高度成長をリードしてきた街、日比谷。その時代を象徴した建物、三信ビルディングと日比谷三井ビルディングの跡地に3月29日、「東京ミッドタウン 日比谷」がオープンします。

地下鉄の路線が複数乗り入れ、霞が関や丸の内といった官庁街やビジネス街にも近接するなど、商業地としては抜群の立地にありながら、隣接する銀座や有楽町に埋没し、長らく話題に上ることのなかった日比谷。東京ミッドタウン日比谷の誕生によって、どう生まれ変わったのでしょうか。


どんな店舗が入っているのか

日比谷公園の東側、日生劇場や東京宝塚劇場、日比谷シャンテに囲まれるように建つ、高さ192メートルの高層複合ビルが東京ミッドタウン日比谷です。

地上1階の正面エントランスから足を踏み入れると、左手に高級自動車レクサスの車体が視界に入ります。ショールームかと思って近づいてみると、カフェが併設されていたり、展示車と一緒に傘や文具などが並んでいたり、様子が少し異なります。


車両の展示と物販などが併設された「レクサス ミーツ」

実は、ここは「レクサス ミーツ」という、レクサスのブランド体験型施設です。全11車種の試乗ができるほか、「レクサスのあるライフスタイル」をテーマにセレクトされた雑貨を購入できたり、コンセプトカフェで食事を楽むことができます。

その隣に入居するのは、国内外のラグジュアリーブランドコスメを取り扱うセレクトショップ「イセタン ミラー」です。17店目となる日比谷店は、標準店の約5倍に匹敵する約670平方メートルと、過去最大の面積を誇ります。

この広さを生かし、ブランドの枠を超えて200種類以上のネイルアイテムや、400種類以上のリップを試せる「THE NAIL」「THE LIP」を設置。一方で、複数の劇場や帝国ホテルが近くにあり、観劇などに訪れるミセスが多いという日比谷ならではの特性を踏まえ、「大人の女性のニーズにも対応するため、スキンケアブランドの拡充を図りました」(三越伊勢丹ホールディングスの上田浩之マネージャー)。

テナント選びに立地のこだわり

実は、この2つの核テナントを1階に配置したのは、東京ミッドタウン日比谷の立地と深い関係があります。

冒頭でも触れたように、日比谷は霞が関や丸の内といった“働く場所”と、有楽町や銀座といった“買い物を楽しむ場所”との交差点に位置します。つまり、周辺のオフィスワーカーや劇場の観覧者、国内外の買い物客や観光客など、幅広い客層を呼び込める場所に立地しているのです。


東京ミッドタウン日比谷の立地特性について説明する、三井不動産の豊蔵室長

地上35階、地下4階からなる東京ミッドタウン日比谷は、地下1階から地上7階までが商業エリアです。全60店のうち6店が日本初出店、22店が新業態での出店になります。まずは1階の2つの核テナントでさまざまな年代・属性の客を誘引し、それぞれのフロアへと散らばらせる集客動線を考えているのです。

商業施設全体のコンセプトは「ザ・プレミアムタイム日比谷」。「また行きたくなるような体験価値を提供する店舗は、東京ミッドタウン日比谷を象徴するお店の1つです」。東京ミッドタウン日比谷の開発を主導した、三井不動産の豊蔵英介室長はこう話します。