はじめに

「どうせ住むのなら、この市区町村に住みたい!」と思ったことはありませんか?

周辺環境だけでなく、行政のサービスはそれぞれの市区町村で違います。行政の一般経費をまかなうために徴収するのが住民税です。

毎月の給料の中から引かれている税金や社会保険料、年金のことは、普段気にとめて考える機会は少ないでしょう。その中でも「住民税」は、給与明細書で金額を見るだけかもしれません。特に、手取り収入がいくらなのかだけ考えると、税金、社会保険料、年金は同じ括りのもので、混乱してしまいます。

今回は、自分の生活に直結する個人住民税について知識を整理していきます。


住民税に関するよくある勘違い

「4~6月の給料で住民税が決まる」とか「住民税が決まる3か月間はあまり残業しない方がいい」などの話を聞くことがあります。実際はどうなのでしょうか?

これは、実は住民税と社会保険料(健康保険料・厚生年金等)を混同されています。

後ほど詳しく解説しますが、住民税の徴収は前年の所得をもとに計算されていて、毎年6月から徴収が開始されます。一方、社会保険料の等級を決める「標準報酬月額」は、その年の4月から6月の給料の平均を参考にします。ですから、4月から6月の給料がその年に徴収される住民税にすぐに影響するわけではありません。「6月」というキーワードでおぼえていると、勘違いする場合が多いようです。

そもそも住民税とはなに?

「住民税」には、個人住民税と法人住民税とがあります。一般に道府県民税(および都民税)と市町村民税(および特別区民税)をあわせて「住民税」と呼んでいます。

個人住民税は、税額を市区町村が計算して課税する「賦課課税方式」をとります。所得税の確定申告や給与支払報告書などをもとに税額が計算されるため、所得税ほどには親しみがないかもしれません。

個人住民税は次のように区分されています。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介