はじめに
「キャー、どいてどいて」。雪の斜面をソリで滑ってきた子供が、楽しそうにはしゃぎ声を上げています。でも、その服装を見てみると、意外と薄着です。
実はここ、4月のゴールデンウィーク直前にオープンしたばかりの屋内遊園地のアトラクションの1つ。いったいどんな施設なのでしょうか。
京王堀之内駅直結の屋内遊園地
4月27日にオープンした「東京あそびマーレ」。京王相模原線の京王堀之内駅に直結する商業施設の2階、約6,700平方メートルの広さの中に、大小20以上のアトラクションを展開しています。
収容可能人数は約1,000人。すべてのアトラクションが屋内にあるので、たとえばゲリラ豪雨や猛暑、花粉が大量に飛散するような時期でも、天候を気にすることなく遊べます。
入場料は、1歳以上で平日1,000円、土日祝日が1,200円(冒頭のスノータウンなど一部アトラクションは別料金)。最近のレジャー施設では時間単位で料金を区切っているところが多いですが、こちらは定額料金で1日中遊ぶことができます。
入場時に渡されるリストバンドを付けておけば、出入りは自由。施設内にはフードコートもありますが、飲食物の持ち込みも自由となっています。
防寒具なしで雪遊びできる秘密
最大の売りは、冒頭でも触れた「スノータウン」。薄い氷の膜を削って、風で飛ばした氷の粒を使っており、18度程度の室温でも溶けない雪を使っているのが特徴です。したがって、防寒具は必要なく、ゴールデンウィークくらいの時期であれば、来場したままの服装で楽しめます。
「ミニエクスプレス電車」は全長約240メートルで乗りごたえ十分
ほかにも、1周約240メートルの「ミニエクスプレス電車」や、カラフルな車に乗ってボール投げをする「ボールシュート」、さまざまなエアー遊具をそろえた「ふわふわランド」といったアトラクションがあります。
施設内には大小20以上のアトラクションがひしめき合う
あそびマーレは、2014年に大阪・南港の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」に1ヵ所目がオープン。東京は2ヵ所目になります。
大阪の施設は、お出かけ情報サイトの人気ランキングにおいて2年連続で全国1位を獲得しているとのこと。運営する山崎屋では、東京でも大阪同様の人気施設となることを期待しています。
多摩地域全体で集客アップを図る
とはいえ、東京の多摩地域といえば、日野市の多摩動物公園前には京王電鉄が運営する「京王あそびの森 HUGHUG(ハグハグ)」や、稲城市のよみうりランドにはボーネルンドの展開する「キドキド」など、類似施設がひしめいています。
激しい競争が懸念されますが、東京あそびマーレの及川能徳店長は「多摩に行けばいろいろな遊びがあるということで、地域としての集客力が上がっていけば、他の施設と差別化ができているので、あそびマーレの集客も上がると考えています」と、意に介しません。
想定している商圏は半径60キロメートルと、かなりの広範囲。遠足などの需要も見込んでいるそうで、「関東全域にアピールをしていきます」と、及川店長は意気込みます。
年間の集客目標は約30万人。全天候型でリーズナブルな価格設定、時間を気にせず遊べるという特性を生かして、どこまで家族連れを呼び込めるのか。オープン直後のGWの客足が、東京あそびマーレの今後を左右しそうです。