はじめに

いよいよ「九州旅客鉄道(9142)」、JR九州のIPO抽選申し込み期間に入りました。10月7日~14日までですが、ネットからの申し込みですと期間が短い証券会社もありますので、お気を付けください。

昨年の郵政IPOでもそうでしたが、今回のJR九州IPOも幹事証券は60社以上(通常は5~10社程度)と証券業界総出の体制となっていますので、数多く申し込めば、それなりの数の当たりを集められるでしょう。

となると、やはり一番気になるのは儲かるのかどうか、つまり初値がどうなるかです。

ネットを巡回する限り、個人投資家の評判は上々で多くの投資家が参加する様相を呈しています。そんな中、初値を占ううえで極めて重要な「仮条件」が10月6日に公表されました。前回の記事でも軽く触れましたが、やはり価格を引き上げてきました。

【前回の記事】

https://moneyforward.com/media/career/15534/

僕はこの値付けに対して、「絶妙だな」と思いました。いろいろな意味で良い価格に設定されています。そして、それを踏まえての初値予想は……。


仮条件は上振れて決定!

JR九州の想定価格は2,450円となっていました。この価格から、機関投資家などの需要をヒアリングしたうえで決定された仮条件は2,400~2,600円です。人気の高い案件ですので、公募価格は十中八九上限の2,600円で決定すると思います。

これをどう解釈するかと言いますと、上限が引き上げられたことで割安感は薄れますが、それだけ需要が旺盛だったということで、基本的にポジティブに考えていいと思います。

これが絶妙な値付けだというのは、引き上げ幅は6%程度ですので割高にはさせずに需要の強さを強調できたという点です。10%引き上げられていたら割高感を感じていたかもしれません。

ちなみに、同じような大型IPOの仮条件を並べてみますと、

銘柄想定価格仮条件
LINE2,800円2,900~3,300円
日本郵政1,350円1,100~1,400円
ゆうちょ銀行1,400円1,250~1,450円
かんぽ生命2,150円1,900~2,200円

LINEは大幅な引き上げ、郵政は小幅引き上げでしたので、JR九州はこれらの中間くらいの順当な引き上げと言えます。気にしていた仮条件は無事に通過しましたが、初値を考えるうえでもうひとつ気にすることがあります。

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