はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

社会人2年目になり、1年目の支出を参考に予算立てて生活しています。無事38万円のボーナスをもらい、残高をみるとついつい顔がニヤけてしまいます。そこで、このボーナスの使い道について悩んでおります。ボーナスはないものとして予算立てしていたため、今は余裕資金として預金口座に残ったままです。


ボーナスを使って、学生時代の未納の年金(学生納付特例)を追納すべきか、追納せずに投信などで運用すべきなのか。運用するのであれば、どれくらいの利回りを出せば、追納した場合と同等になるのか。追納すると、月々の年金額がいくら増えるのか。以上の3点を教えてください。国民年金の未納金は合計で52万円です。


〈相談者プロフィール〉
・男性、24歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・手取りの世帯月収:18万円
・毎月の支出目安:15万円
・総資産額:80万円


花輪: 社会人2年目にもかかわらず、通帳を見てニンマリできるとは素晴らしいですね。

資産を殖やす「四分の一天引き貯金法」

資産を殖やしていく方法として、「四分の一天引き貯金法」 を推奨しています。

これは明治時代に林学博士として明治神宮の森などを設計しながらも、勤倹貯蓄の生活と投資で大きな財産(40代で現在価値にして約100億円)を築いた、本多静六博士の提唱した方法です。

やり方は非常に単純で、「あらゆる通常収入は、それが入ったとき、天引き四分の一を貯金してしまう。さらに臨時収入は全部貯金して、通常収入増加のもとに繰り込む」というものです(本多静六『私の財産告白』実業之日本社より)。

この方法によると、臨時収入は全部貯金して、まとまったお金ができたら株式などに分散して投資をし、育てていくのがよいということです。

学生納付特例は追納した方がよい?

日本年金機構によれば、学生納付特例期間については、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めること(追納)ができます。

承認を受けた学生納付特例期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。

平成30年度中に追納する場合の毎月の追納額は、こちらを参照してください。

追納をするメリットとしては、「将来受け取る年金額が増える」「年金の受給資格が得られる可能性がある(老後の年金を受け取るために必要な期間は10年)」ということがあります。

1ヵ月分を追納すると年金額はいくら増える?

1ヵ月分の保険料を納めることによって、将来の年金額がどれくらい増えるかは、次の計算式で目安を知ることができます。

779,300円(平成30年4月時点の満額の年金額)/480ヵ月(40年×12ヵ月)
年額で1,624円増額 になります

具体的には、「納めることによって増える年金額」と「支払う金額」を計算して、各自が判断をすることになるでしょう。

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